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松崎久純「ビジネスパーソンの自己啓発」

一生懸命に働いているのに、まったく成功に近づいている実感がないあなたへ…実践的突破法

文=松崎久純/グローバル人材育成専門家、サイドマン経営代表
一生懸命に働いているのに、まったく成功に近づいている実感がないあなたへ…実践的突破法の画像1「Thinkstock」より

 人材育成の専門家として企業などに出入りしていると、従業員の方々から何かと相談を受けることが多いものです。なかでも多いのは、「どうすれば出世できるか」「どうやって頭角を現せばよいのか」、別の言い方をすれば「どうすればブレイクできるのか」という相談です。彼らは社会人として経験を積み、努力しているものの、自分自身が過去に思い描いていたような華やかな成功のイメージには、なかなか近づいていないと感じています。

 真面目に働いているのですし、自分を成功へ導くきっかけが見つかってもいいはずだと思いながらも、何をどうすればいいのかわからず悩み、焦り始めているのです。

 これは私自身が若い頃から悩みに悩んできた事柄でもあります。一生懸命に働いていても、ビジネスパーソンとしての成功に近づいていないという不安や、成功への具体的な計画が立てられないことへの苛立ちは、よく理解できることです。

 そんなときに私が伝えるアドバイスは、「大きく成功したければ、小さな強みに磨きをかけろ」というものです。ありきたりな助言に聞こえるかもしれませんが、同じような悩みを抱える人がいれば、ぜひあらためて考えていただければと思います。

どんな仕事の機会が与えられているのか

「どうすればブレイクできるのか」を考えるに当たっては、「どんなことに取り組むか」を熟考しなくてはなりません。何に注力するかによって、生み出される結果は異なってくるからです。

 私に相談に来る人たちのほとんどは、会社などの組織に所属して仕事をしています。皆が所属組織の業績を上げるために奮闘していますが、人材育成の専門家としてはじめに観察するのは、どんな人たちがその組織(たとえば、部、課、プロジェクトのチームなど)を構成しているか、ということです。

 話をわかりやすくするために、スポーツのチームを例に考えてみましょう。たとえば強豪といわれる大学駅伝チームでは、どんな選手がそのチームを構成しているのでしょうか。各区間を走るそれぞれの選手について、私が真っ先に考えるのは「駅伝の一区間(だけ)に使われることで、より大きな可能性がつぶされている選手はいないか」ということです。もしかすると彼らには、たとえばマラソンで記録に挑戦するような力があるかもしれないからです。そんな選手ばかりを集めて駅伝の一区間ずつを走らせれば、きっと強いチームをつくりやすくなるでしょう。

松崎久純/グローバル人材育成専門家

松崎久純/グローバル人材育成専門家

サイドマン経営代表

企業の海外赴任者や海外拠点の現地社員を対象にグローバル人材育成を行う専門家。サイドマン経営・代表。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科非常勤講師。著書に『好きになられる能力 ライカビリティ 成功するための真の要因』(光文社)、『英語で学ぶトヨタ生産方式 エッセンスとフレーズのすべて』(研究社)、『イラストで覚える生産現場の英語』(ジャパンタイムズ)など多数。

Twitter:@HardLifeEasy

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