一生懸命に働いているのに、まったく成功に近づいている実感がないあなたへ…実践的突破法
あくまでも一般的な話ですが、私自身が昔は陸上競技の選手で、そんな選手を実際に見てきた経験もあることから、強いチームを見たときほど、そんなふうに考えてしまうわけです。
会社などの組織でも、その人材の力を伸ばすような大きな仕事の機会は与えられず、組織の業績を上げることだけが考えられ、優秀な人材が小さな仕事だけに使われていることがあります。これは管理者が意図的にそうしているケースも、優秀な人材の能力を使いきる能力を持っていないケースも、あるいはなんらかのやむを得ない事情が存在するケースもありますが、自分の力を発揮したい人材からすれば、あまりに残念な話です。
このような境遇にいるのならもちろん、そうでないにしても、自分の力を試したいと思っているビジネスパーソンは、自分からチャンスを奪ってしまうように見える小さな仕事よりも、無限に可能性を広げてくれそうな大きな仕事に携わりたいと考えるのが普通でしょう。
何に取り組むとよいのか
しかし、そう考えていながらも、なかなか頭角を現せないと悩んでいる人がいれば、あえて駅伝の一区間で優秀な成績を収めることについて考えてみましょう。
ビジネスパーソンとしては、それは特定の小さな分野(あるいは業務)において強みを持ち、その強みに競争力をつけていくことを意味します。特定の分野における特技が、それだけできても仕方がないような小さなことに思えても構いません。私たちは、そうした強みに磨きをかけて、多くの人に認めてもらうことで、大きな仕事の機会も得られるようになっていくのです。これはやみくもに可能性を追いかけるよりも、ブレイクにつながりやすい方法です。
以前、メーカーの海外事業部に勤務していた人物には、英文ビジネスレターやEメールを作成するスキルを磨くようアドバイスしたことがあります。その人物のセンスがよかったのはもちろんですが、その事業部全体のスキルがもっと強化されるべきだったからです。
英文ビジネスレターやEメールのスキルを自分がブレイクするための強みにしたいのであれば、ただ漠然と書く練習をしているだけでは不十分です。他の事業部員に指導できるようにもなるべきですし、事業部全体のためのマニュアル作成も行い、会社を代表した英文レターの作成まで任せられるようになりたいところです。実際に、その人物は英文ライティングのスキルで役員からも重宝されるようになり、それを強みとして海外事業部のさまざまな業務で活躍するようになりました。