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クライアントの問題を解決することを優先してビジネスに取り組めば、購入者にとって「ただの販売員」ではなく「信頼できるアドバイザー」になることができる。それは、継続的なビジネスを作る上で欠かせない立ち位置だ。
1回の取引に目が眩んで高額の電動ドリルを買うよう勧めるのか、「アドバイザー」として問題解決を優先するのか。これが、ビジネスの成否を分ける分水嶺だと言えるだろう。
■競争から抜け出すための「先制マーケティング」
本書では、数多くのマーケティング手法が紹介されているが、その中から1つを紹介しよう。
ビジネスにおいて「USP(ユニーク・セリング・プロポジション)」、つまり、独自の強みを構築して、競合との差異を図ることはよく知られた手法だ。
しかし、強みを創造することはそれほど簡単ではない。そこで「先制マーケティング」という手法を知っておきたい。
アメリカのシュリッツ・ビールはこの手法で成功した好例だ。
それまでビールの広告は「純度が高い」というメッセージが常套句になっていた。そこでシュリッツは、使用する水、蒸留や殺菌方法など、製造過程や基準を前面に打ち出した。それらの過程や基準は、どのメーカーの醸造所でも一般的に行なっていることだった。
しかし、一般的には知られていない「業界の常識」をあえて打ち出したことで、購入者の目には他にはない「USP」に映ったのだ。
これは、あくまで本書で紹介されるマーケティング手法の一端に過ぎないが、著者によって見事に体系化された数々の手法やマインドは、企業だけではなく個人の価値創造にも大きな効果を発揮する。どんな業界のビジネスマンでも一度は触れておくべきだろう。
(ライター/大村 佑介)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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