会社の役に立つどころか、全体のモラルやレベルを下げる人にならないよう気を付けたいものです。資格やスキルアップについては、地道に努力を続ける人はいるものですから、そういう人たちと付き合うか、自分がそうした模範となるよう取り組みたいところです。
理不尽な要求は、上手に断ればOK
「上司や顧客の役に立つために」と考えて行動していると、それによって理不尽な状況に追い込まれることがある――このような心配を抱く人も少なくないようです。
業務の改善提案をしたら「おっ、いいアイディアだな。ぜひやっておいてくれ」と丸投げされるとか、顧客にとって便利と思うものを用意したら、次から当たり前のように要求されるという話は珍しくないからです。これでは上司や顧客にいいように使われるだけと感じても無理はないでしょう。
しかしながら、ここでは上司や顧客のイエスマンになることを勧めているわけではありません。そうした周囲からの要求に対しては、どのあたりまで対応するのが適切なのか見極め、上手にやっていく必要があります。
仕事そのものとは別に、日本ではたとえば残業をするのが当然のように考えられている組織が少なくないため、それが習慣になっていることも多いですし、同じ職場の人と飲みに行くようなことも、文化のように存在していることがあります。その場合、そうした残業や付き合いを断り続けるのが大変なこともあるでしょう。
「人の役に立つために何ができるか」を考え行動するにあたっては、こうした(考え方次第では)理不尽に思えることについての対策案を決めて、どこかで線を引いておくことも必要です。
周囲の言いなりになるのではなく、けじめのある姿勢で仕事にあたるというセルフイメージが大切になることもあります。そうした考えを持っていれば、それを尊重してくれる人も数多く現れてくるものなのです。
「人のために何ができるか」を考えて行動を続けたときには、物事を任せてくれる人や、あなたを信頼してくれる人が増えてくるでしょう。成功が、思っていたよりも近くにあると感じるときが来るはずです。
(文=松崎久純/グローバル人材育成専門家、サイドマン経営代表)