毎日の食事で何を作るかというのは、家族のために食事を作る人にとって悩みの種。
しかし、そんなに大変に考えることはありません。
『タニアのドイツ式台所管理術』(集英社/刊)の著者で料理研究家の門倉多仁亜さん(以下、タニアさん)によると、料理をはじめとした台所仕事の基本は、健康維持のために身体にいい食事を作ること。これさえできていれば、背伸びして難しい料理を作る必要はない、ということで、本書の中で毎日の献立を決めるのに役立つ秘訣を明かしています。
常に冷蔵庫の中身をチェックしておく
台所仕事とは結局のところ、余った食材や前の日に作った料理の残り物を組み合わせたり、別のものを少し買い足したりしながら、無駄なく買ったものを使い切っていくことだといえます。つまり、料理というよりも食材管理ができるかどうかが重要になるのです。
これをうまく回していくためには、冷蔵庫に何が入っているかを常にチェックしておくことが大きなポイントとなります。
スーパーで献立を考えない
スーパーの食材売り場を物色しながら「今日は何を作ろうかな?」と考えてしまう人は多いかと思います。
しかし、タニアさんは「メニューを決めるのが難しい場所はスーパーマーケット」だと言います。スーパーにはあまりにもたくさんの食材があるため、どれも魅力的に思えて目移りしてしまうのです。これでは時間のロスが大きいですし、思いつきで買ったものが余ってしまうと処理に困る可能性も…。
そうならないためにも、冷蔵庫の中身と相談して、献立はあらかじめ決めておきましょう。その日の献立を事前に決めておくだけでもいいのですが、忙しい時などは一週間分の献立を先に決めておくと、買い物の時間が短縮できて便利です。
基本のレシピをいくつか持っておく
タニアさんは、料理が苦手な人へのアドバイスとして、まずはレシピを見ないで作れるメニューを3品持つことをすすめています。
これは、自分が好きな料理でも、家族が好きな料理でも構いません。レシピを見ずに手早く買い物ができ、下ごしらえもわかっており、使う調理器具も把握しているという献立をいくつか持っておくことで、急な来客があった時や時間がない時にも対応できます。
献立が思い浮かばなかったら?
もちろん、慣れていないと冷蔵庫の中身を把握していても、献立が思い浮かばないこともあります。そんな時は冷蔵庫に残っている食材をパソコンに打ち込んで、その食材を使ったレシピを調べてしまうのも一つの手です。
この方法のいいところは、今まで考えもつかなかった食材の組み合わせや、知らなかった料理のレシ
ピを覚えることができること。
料理のレパートリーを増やすためにも、ネットは積極的に活用してみてもいいかもしれません。
家庭料理とは残り物の使い回しを繰り返すこと。
これを理解していれば、変に張り切りすぎることなく、気楽に毎日の料理を楽しめるはずです。
本書では、料理を仕事にしているプロフェッショナルならではの視点から、おすすめレシピや、使いやすいキッチンを作るコツ、キッチンを清潔に保つ方法など、台所仕事全般について語られています。
料理や炊事を苦手と思っている人にとって、本書はその苦手意識を払しょくしてくれるきっかけになるかもしれません。
(文=新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。