11月18日当サイト記事『日本企業、時間の7割を社内向け業務に浪費…3カ月で50%生産性が向上した企業』において、多くの日本の企業は社内向け業務に時間の7割を費やしていると紹介した。
同記事のなかで衝撃の数値を明らかにした、アイ&カンパニー・ジャパン代表で経営コンサルタントの入江仁之氏は、世界最大のネットワークシステム会社のシスコ米国シリコンバレー本社の戦略担当部門マネージングディレクターとしてグローバルに活動し、現在は経営コンサルタントとして活躍している。主なクライアントは、トヨタ自動車、日立製作所、ゼネラル・エレクトリック(GE)、日本電信電話(NTT)をはじめとしてIT、ハイテク、消費財など日米の各業界を代表する企業だ。
そんな入江氏は、優秀な従業員ほど、やる気をなくしている日本の会社の現実を嘆いている。
「優秀な従業員ほど、日本の会社の評価方法には失望しています。日本企業の多くは、結局のところ上司の腹積もりで評価が決まります。そして評価は『パフォーマンス(業績)』に加えて『能力やスキル(コンピタンシー)』を評価軸にしています。たいていの優秀な人間は、ポイントを稼げる『能力やスキル』を保有し、『パフォーマンス(業績)』への貢献を上司にアピールする術を持っています。
彼らは“ここで評価される”というときだけ花火を上げて『能力やスキル』をアピールして、どんどん出世していきます。つまり、『花火を上げる』タイプの人だけが生き残るのです。社内には、ポイントを稼げる『能力やスキル』を保有して、それを上司にアピールする者ばかりになります。そういう人は、確かにスキルは評価されているが、それだけで、『上司の目を気にする』人としか見えません。さらに、チャレンジをしても、失敗すると減点評価される不公平な人事がまかり通る会社に嫌気がさして、有能な若者ほどさっさと辞めてしまうのです」(入江氏)