日本全国の個人事業主をゆううつな気持ちにさせるものといえば、なんといっても「確定申告」です。特に、今年の確定申告から、白色申告者も「帳簿づけとその根拠である領収書の保存」が義務付けられ、より面倒になったと感じる人が多かったのではないでしょうか。
ところで、どうせ帳簿をつけなければならないなら、これまで行ってきた「白色申告」から「青色申告」に申告方法を変えるべきです。同じように面倒くさい作業をこなすのですから、控除額が大きく節税がある方がいいですよね。
『世界一ラクにできる確定申告~全自動会計ソフト「freee」で手間なく完結!~平成27年版』(原尚美、山田案稜/著、技術評論社/刊)は、素人が尻込みしがちな「帳簿づけ」を、わかりやすく解説してくれる一冊。
本書を読むと、この帳簿づけのおかげでハードルが高いと思われがちな「青色申告」が、案外簡単なことがわかります。
■「勘定科目」は覚えなくて大丈夫
帳簿づけでとにかく厄介なのは「勘定科目の入力」です。
一年分の取引すべてに勘定科目を入れていくわけですから、手間がかかりますし、間違えたら大変なことになりそうで怖いですよね。
ただ、本書の著者で税理士の原尚美さんは、「勘定科目の入力は“ざっくり”でも問題ないといいます。
なぜなら、一部を除いて法律で決められた勘定科目はありませんし、確定申告において、税務署は「課税される所得の金額」さえわかればいいからです。
・自分で好きな科目を作っても大丈夫。たとえばWeb関係の仕事をしてる人なら、プロバイダーの接続費用など、パソコンに関わる支払は、すべて「ウェブ関連費用」という科目を作って、まとめちゃいます。
・まったく違う勘定科目を入れない。(「水道光熱費」にすべきものを「接待交際費」にしたり、突拍子もない科目間違いをしない)
・資産・負債・費用・収益・その他だけはまちがえない(帳簿の基本の部分は押さえておく)
この3つだけ最低限守っていれば、多少のミスは気にしなくても大丈夫です。