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アメリカではスポーツショップで銃が買えちゃう?

NYで多発する発砲事件は、安全な街のしるし!?

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「Thinkstock」より
 不景気ゆえだろうか、ここ最近ニューヨーク市内で、発砲事件が相次いでいる。通勤圏や商圏を含めた近郊にまでその範囲を広げればさらにその数は増え、運悪く巻き添えを食らうことになってしまった無関係の怪我人なども多い。

 特に、8月25日に起こった事件は、市民に衝撃が走ったものであった。それは、白昼堂々、それもマンハッタンの中心部、世界的にも有名なエンパイア・ステート・ビルのそばで発生したからである。日本でも多く報道されたので詳細は省くが、発生したのが午前9時頃。エンパイア・ステート・ビルを含め、近辺で勤務するビジネスパーソンはもちろん、世界中から観光客が集まるこのエリアでの事件は、さすがに地元での報道も一際大きく扱われており、米国が銃社会であるという現実を、世界中に宣伝してしまうかたちとなった。

 この事件の一週間ほど前、学生やアーチスト志望などの若者も多いイースト・ビレッジ地区では、ホームレスの老人が飼っていた犬に向け警官が発砲。これは、倒れたまま動けなくなっていた老人の様子をうかがおうとした警官に対し、犬が飼い主を守ろうとしたのか、激しく吠え続けたためにやむなく発砲に至ったのが理由だったという。重傷を負った犬はその後治療を受け一命を取り留めたのだが、老人は死去。市内でも増え続けるホームレス問題を改めて知らしめることとなった。
 
 そしてエンパイア・ステート・ビルでの事件。事件の犯人は、解雇された会社の元同僚を恨んでの犯行といい、いずれも不景気が根底にあるものばかり。さらには、犯人は警官に射殺されたのだが、その際に警官が発砲した弾丸の跳弾、もしくは破片によって多くの市民が怪我を追った。

観光名所で多発する事件

 同月、行き交う人々でごった返すタイムズ・スクエアをナイフを持ったままうろついていた不審者が、警官の指示に従わなかったために、やはり射殺されてしまったという事件もあった。一週間と空けずに立て続けに起こった事件。そのいずれもが、日中に、しかも一般の人々が多く行き交う街中で発生したということで、ビジネスや観光都市としての収益が非常に重要な柱となっているニューヨークにとっては、誠に由々しき事態といえるだろう。

 しかし米国の中では、ニューヨークは非常に銃に厳しい街であることは、あまり日本では知られていない。日本のメディアでは、米国であればどこでも自由に銃が入手でき、誰も彼もが持ち歩くことも可能であるかのような伝えられ方をされることも多いのだが、ことニューヨークに限っていえば、現状はその対極。異例なほど厳しい銃規制が行われているのである。

 地域によってはスポーツ用品チェーンで、野球のバットやテニスのラケットと並んで銃が売られていることも当たり前な米国ではあるが、マンハッタン内ではまったくそのようなことはない。近郊のベッドタウンなどでは、害獣の駆除やハンティングを趣味とする人々のために、小型のライフル銃を在庫しているところもあるが、その売買には非常に厳しい手続きが必要。それどころか、銃を持っているのが当たり前なはずの警官も同様。他州の警官が銃を携帯してマンハッタンに入ることすら許されてはおらず、ましてや一般市民が合法的に銃を入手し、外出の際に携帯するというのは事実上不可能に近いのである。

国際都市という特殊事情

 これはもちろん、ニューヨーク市が特殊な事情下に置かれているという大前提がある。世界中からビジネスの訪問者、そして観光客がやってくるだけではなく、有名人著名人も多く住んでおり、多くの外国人が訪れる。国連ほか、各国の重鎮が集まる場所や機会も多いという事情がある。