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日銀新総裁、黒田氏有力との報道は、“本命”武藤氏をにらんだ当て馬か

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日銀新総裁に有力と報じられた黒田東彦氏
(「Wikipedia」より)
 次期日本銀行総裁人事が佳境を迎えている。

 3月19日に2人の副総裁が任期満了を迎えるのに合わせて、4月が任期満了の白川方明総裁も3月に辞任する意向を示しているためだ。本日(4月24日)、安倍晋三首相が訪米から帰国し、翌25日の月曜日から政府内で候補者調整が本格化、今週半ばには人事案が国会に提示される見通しとなっている。

 そんな中、昨日2月23日付け朝日新聞朝刊が、『日銀総裁 黒田氏軸に調整」という記事を掲載した。黒田氏とは、アジア開発銀行(ADB)総裁で元財務省財務官の黒田東彦氏。実は2月10日の段階で、産経新聞も「黒田氏有力」と報じている。

 朝日の報道の背景にはおそらく、20日午後の官邸の動きがあった。財務省の真砂靖事務次官、中尾武彦財務官、山崎達雄国際局長が官邸に安倍首相を訪ね、20分にわたって面会した。この直後から、「財務省は黒田氏を日銀総裁にと陳情した」という情報が一気に流れた。

 これと同時に黒田氏周辺からもある情報が流れた。黒田氏はADB総裁の任期をまだ4年残している。一部のメディアには、「黒田氏が任期途中でADB総裁職を投げ出すと、日本がポストを失い、中国に取られかねない」という論調が流れていた。これに対して黒田氏周辺から、「黒田が辞めても中国が後任を取るのは難しい。任期途中だから黒田が日銀総裁に不適任というのはおかしい」という情報がメディア関係者に流れたのだ。これは裏を返せば、「黒田氏が日銀総裁に意欲を示している」という証左になる。

 では、財務省は本当に黒田氏で「勝負」に出たのか?

 日本銀行総裁は過去3代、速水優氏、福井俊彦氏、白川方明氏と日銀出身者が就いた。かつては、日銀出身者と大蔵事務次官(現財務事務次官)経験者が交互に総裁を務めていたが、1998年に退任した松下康夫総裁を最後に、財務省OBの就任が途絶えている。財務省としては、なんとしても奪還したいポストなのだ。

 アベノミクスの3本の矢の1本目である「大胆な金融緩和」の論理的支えでもある浜田宏一・内閣官房参与(イェール大学名誉教授)の推薦リストには黒田氏も載っており、有力候補者のひとりであることは間違いない。財務省の中では珍しい「インフレ・ターゲット」論者でもあり、安倍首相も黒田氏ならば容認するのではないか、というわけだ。

 安倍首相に近い議員によると、首相は「学者から総裁を出したい」と考えているようで、岩田一政・日本経済研究センター理事長が最有力と見られる。これには日銀が強く反発している。学者を容認すれば、金融界の専門家としての日銀マンのレーゾンデートル(存在意義)が侵されかねない。日銀は「副総裁も務めた武藤敏郎氏が適任」と、早い段階から元財務事務次官の武藤敏郎・大和総研理事長を推していた。ポスト奪還が悲願の財務省としては、学者総裁だけは排除したいという日銀の意向に乗っているわけだ。

 では今回、なぜ武藤氏ではなく、黒田氏有力との報道がなされたのか?

 前回2008年の総裁選びの際、副総裁だった武藤氏が最有力候補で、国会への人事提出までこぎ着けた。ところが当時野党だった民主党が財務省OBは認められないと反発。同意を見送った。同じ轍は踏みたくないということだろう。

 安倍首相は「出身母体は問わない」と発言し、財務省出身者を排除するようなことはしないという姿勢を示している。しかし、財務省OBを起用することへの国民の反発を読みあぐねている。7月の参議院議員選挙までは波風を立てたくないというのが首相の本音。世論が「財務省OB起用」に反発するようなら、財務省OBを選ぶ必要はない。また、初めから武藤氏を出せば、民主党がメンツで反対に回る可能性もある。いわば、観測気球として「黒田氏」という情報が流れているのではないか。

 財務省の実務派は、国際的に知名度の高い財務官経験者が日銀総裁に相応しいとみている。一方で序列を重んじる主流派は、日銀総裁ポストは次官、それも大物と評された次官のためのポストだと考えている。それでいくと、黒田氏は当て馬で、やはり武藤氏が本命ということになる。

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