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新ドメイン「.tokyo」、東京五輪決定で広がる商機〜中古販売市場広がりの期待も

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「GMOドメインレジストリ HP」より
 東京株式市場は、東京五輪関連銘柄探しに沸き立っている。本命株ではないが、穴株妙味のある銘柄として注目されているのが、ネットサービス運営会社・GMOインターネット(東証1部)である。

 同社はグループ会社を通じて、2014年から登録開始予定の日本初地域ドメイン.tokyo」の申請手続きなど関連事業を手掛ける。ネット上で「東京」が取り上げられる機会が増えれば増えるほど、新ドメインのニーズが高まる。東京五輪は世界に飛躍する絶好機だ。同社のウェブインフラ、eコマース事業にとって、強い追い風となる。

 ドメインとは、ネットワークに接続しているコンピュータの場所を示すインターネット上の住所に当たる。住所だから同じものは世界に2つとない。ドメイン取得は先着順になっていて、先に取得した人がいれば、後から申請しても取得できない。つまり、どんなドメインでも最初に申請すれば、それが住所となる。ドメインは世界中のさまざまな人々が利用するため、国や目的により分類されており、国際的に認定する機関が管理している。

 ドメインはホームページのURLアドレスの中に含まれている。一番最後に表示されるドメインをトップレベルドメイン(TLD)と呼ぶ。「.com」など分野別で22種類。「.jp」のような国地域別で255種類の中から選択して、ドメインを登録する仕組みになっており、世界中の登録件数は2億件を突破している。

 今秋からはドメインの対象が有名都市に広がる。東京都が選定した業者が、GMOインターネットグループのGMOドメインレジストリ(東京・渋谷)である。09年7月に設立された、ドメインの申請手続きを代行する会社だ。ドメインを管理する米ICANNへのTLDの申請料は、1件当たり約1850万円。「.tokyo」はICANNの審査にこのほど合格。今後はシステムテストなどを経て、14年以降に登録受け付けを始める。GMOドメインレジストリでは初年度、10万件の登録を目指すという。

 GMOインターネットの会長兼社長グループ代表の熊谷正寿氏(50)は、國學院高校中退後、神楽坂でパチンコ店などを経営する家業の熊谷興業を経て1990年に独立。ネットバブルの時代には、楽天やライブドアの後を追うように、消費者金融事業に進出して手ひどい打撃を受けた。その後は、レンタルサーバーなど中小企業向けネットサービスやネット広告などを展開。ドメイン登録ビジネスもその1つで、同社の国内TLDシェアは90.5%に達するという。

 13年12月期の連結売上高は前年同期比11.6%増の823億円、本業の儲けを示す営業利益は14.8%増の105億円と過去最高益を見込んでいる。新ドメイン「.tokyo」が、東京五輪で飛躍するという期待から株価は上昇。五輪決定を受けた9月10日には1259円の高値をつけた。東京五輪関連の穴株といわれるゆえんだ。

●「.tokyo」解禁の影響は?

 地域ドメイン「.tokyo」の解禁によって、ドメイン市場はどう変化するのか?

 欧米ではドメインの中古販売がデリバティブ(金融派生商品)の1つと見なされ、市場を形成し、ドメインが1億円以上で売買されるケースが多々ある。ドメイン取引の最高額は昨年2月、Nations Luxury Transportationなどの投資組合が「PrivateJet.com」を取得した3018万ドル(約24億円=当時の為替レート)だ。同社は「世界中のチャーター、プライベートジェット機販売のため」という名目で、高い金を出してドメイン名を手に入れた。

 日本の場合は、検索サイトから各社のサービスサイトに移動するケースが多く、欧米ほどドメインの価値が高いわけではない。しかし、地域ドメイン「.tokyo」の登場で市場価値が高くなるのは確実だ。ドメインは早い者勝ちのため、魅力的なネーミングをつけた「○○○.tokyo」のドメインを登録しておいて、買い手が出てくるのを待っていれば、欧米並みの高額売買が可能になるかもしれない。

 ドメインを管理しているJPNICは、ドメインの売買はインターネットの健全な発展にとって望ましくないとして、ドメイン名の売買を禁止している。だが、「.tokyo」という魅力的な地域ドメインの登場で、ドメインの中古販売市場が欧米並みに活気づくのは間違いないだろう。
(文=編集部)