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あのニュースをどう読む?メディア読み比べ(11月25日)

紅白出演落選から透けるK-POPの今〜人気健在?ブーム終焉?影落とす日韓関係と世論

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K-POPアーティスト・KARAのCD『BEST GIRLS』(ユニバーサルミュージック)
 11月20日、大人気のまま9月に最終回を迎えた連続テレビドラマ『あまちゃん』(NHK)で主演を務めた女優の能年玲奈が、今年の大みそかに放送される『第64回NHK紅白歌合戦』(以下、紅白)の「PR大使」を務めることが発表された。同時に、能年が12月いっぱい紅白のPR番組に毎日出演することが明らかとなり、“あまロス”に悩まされていたファンの間で大きな話題になった。

 そして25日、紅白出演者が正式に発表されたが、発表前から小泉今日子ら『あまちゃん』出演者がどれだけ出演するのかに注目が集まっていた中、もうひとつ、韓国のK-POPアーティストが選考されるかどうかが、世間の関心を集めていた。

 結果的にNHKから発表された出演者リストにK-POPアーティストの名前はなく、これでK-POP勢は2年連続の出演なしとなったが、発表前から、昨年に引き続きK-POP勢の出演はないのではないか、という見方が大きかった。

 11月22日付東スポWeb記事は、音楽関係者の「日本国内の反韓ムードの高まりで、K-POPのアーティストが以前のようにテレビの音楽番組に出演できる雰囲気ではない。レコード会社側の『ぜひ紅白に!』という雰囲気もない」という分析を紹介。またレコード会社関係者の「新曲が出たからといってメディアに出てプロモーションできる状況じゃない。いまの日韓関係が続くようなら、CDを出してもライブだけでジリ貧。K-POPから完全撤退するレコード会社も出てくるでしょうね」というコメントも伝えており、日韓関係の悪化とともに日本におけるK-POP人気の終焉を煽るような報道も増えている。

 一方、11月3日付SankeiBiz記事は、政治、外交的背景はともかくとして、「韓国の歌手が昨年の紅白に出場できなかったことを文化的側面からみると、音楽的要素の重要性が著しく低くなっている韓国のK-POPに原因があったのかもしれない」と報じている。同記事によれば、『別れのブルース』『青い山脈』などの大ヒット曲の作曲で知られる故服部良一氏の長男で、作曲・編曲家の服部克久氏は、昨今の音楽業界について「印象的な歌詞とメロディーなどが確実に減る一方で、その代わりに、切れのあるダンスやタレントのコスチュームなど、音楽以外のもので楽しませる複合エンターテインメントになってきている」と指摘。克久氏は「それは時代の流れで、善しあしではありません」としているが、同記事は、韓国では日本の音楽業界よりもさらに“複合エンターテインメント化”が顕著であり、「わざわざK-POPアーティストに紅白歌合戦に出場してもらわなくてもいいという考え方もありそうだ」とまとめている。

●対立する嫌韓派とK-POPファンの本音

 嫌韓派も目立つツイッター上では、「当然の成り行きだ。っていうか、もう韓国の話題はいいわ」「そもそも昔の紅白は韓国人なんか出場してなかった。韓流偽ブームで年の瀬の風物詩を壊したNHK」との声がある一方で、「日本という国は政治が文化を抑圧する国ですって世界に発信するようなものなのに、何がそんなに嬉しいんだろう?」「しかしこんな東スポのニュース信じてる人いまだにいるのね。すぱしょ5もKARASIA神戸ライブビューイングも観に行ったけど、終焉どころか数多くのファンいるよ」(原文ママ)など、政治と文化を結びつける風潮への危惧や、K-POP人気自体は低下していないという主張も少なくない。

 とはいえ、国民的番組である紅白において2年連続出演アーティストゼロとなると、日本におけるK-POPブームがいよいよ後退している、という印象を人々が抱いてしまうのは否めない。NHKサイドにどの程度、政治情勢に対する配慮があるかはうかがい知れないが、今回の紅白不参加決定が今後のK-POP人気にどのような影響を及ぼすのか? 嫌韓派やK-POPファンを含めた人々の関心が集まっている。
(文=blueprint)