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朝日新聞、また誤報で謝罪文掲載 記事取り消し被害者へお詫び、方針ありきのずさんな取材

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朝日新聞東京本社(「Wikipedia」より/PRiMENON)
 弁護士法人AVANCE LEGAL GROUPパートナー弁護士で、企業法務から民事/刑事事件、インターネット関連法務など幅広い分野で豊富な経験を持つ山岸純氏が、話題のテーマや身近な紛争事案などについて、わかりやすく解説します。

 社会福祉法人ひまわりの会が朝日新聞社を被告として提起した名誉棄損訴訟(東京地裁)において、昨日(4月16日)に和解が成立したことを踏まえ、ひまわりの会の訴訟代理人の立場で今回の裁判の結果をわかりやすく解説します。

 昨年11月13日付当サイト記事『朝日新聞に新たな誤報疑惑 社会福祉法人が提訴 1億円以上被害与える、ルール逸脱の取材』は、誤った新聞記事内容で名誉を傷つけられたとして、神奈川県川崎市の社会福祉法人ひまわりの会(現・社会福祉法人ハートフル記念会)と千葉新也理事長が朝日新聞に対し、計3300万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴訟を東京地裁に起こしたと報じました。

 問題となっていたのは、朝日新聞の特集記事『報われぬ国』の一つで、「社福法人の私物化」「ワンマン理事長“暴走”」「親族から備品購入」「報酬8倍」というセンセーショナルな見出しのもと、「寄付された土地を理事長が独断で売却した」「規定も理事会決議もないのに理事長が独断で自分の報酬を8倍にした」「理事長が自分の親族の会社から備品を購入させた」といった内容が掲載されていました。

 記事の内容は、日本を代表する日刊紙である朝日新聞経済面に4段記事で掲載されたことにより、またテレビ番組『ひるおび!』(TBS系)で取り上げられたこともあり、ただちに世間に広まりました。その結果、ひまわりの会の関係者、入居者、その家族など数多くの人が心配することとなりました。

 さらには、社会福祉法人の運営は主に篤志家らの寄付などで賄われているため、朝日新聞記事により寄付の撤回などが相次ぎ、ひまわりの会は財政的な打撃も受けました。

 ひまわりの会は、記事の内容はすべて事実無根であるとして、ただちに朝日新聞経済部に抗議するなどしましたが、やはり司法手続きをもって毀損された名誉の回復を図るべく、昨年7月、東京地裁に訴訟を提起しておりました。

●東京地裁、名誉棄損の成立を認める


 朝日新聞側は、高名な秋山幹男弁護士が代理人に就任され、当初、名誉棄損の成立を争っていました。しかしその後、双方の主張整理が行われたのち、本年3月、宮坂裁判長より「記事は事実に基づくものではなく名誉棄損が成立する。朝日新聞は記事を訂正し、謝罪する記事を掲載するという和解を検討すること」との訴訟指揮がなされ、双方、和解協議を進めた結果、4月16日付にて和解が成立しました。なお和解内容は、概ね以下のとおりです。

・被告(朝日新聞)は、原告ら(ひまわりの会、千葉理事長)に対し、本件記事により原告らに迷惑を掛けたことについておわびするとともに、15年4月26日限り、別紙記事を被告発行の朝日新聞全国版の朝刊経済面に1回掲載する。
・被告は、今後も適正な報道がなされるよう努める。
・原告らは、その余の金銭的な請求を放棄する。