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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

「尿酸値高めの人はビールNG」のワナ お酒は全部NG、肉や魚はもっと害?

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「Thinkstock」より
 夏の夕間暮れ。暑かった一日。仕事を終え、仲間とビアガーデンにでも行って、ちょいと憂さを晴らしてから帰るか、ということもあると思います。そんな時、気になるのがビールに含まれる「プリン体」です。健康診断で尿酸値が高め、などと指摘されている人は余計に気になるでしょう。

 確かに、ビールに限らず一般的に醸造酒にはプリン体が多く含まれていますので、飲みすぎには気をつけていただきたいところです。とはいえ、ビールは最初の一杯だけにして、あとは焼酎にすれば大丈夫というわけではありません。医者も尿酸値が高い人に対して「ビールはあまり飲まないように」という指導をするため、ビールだけが大敵のように思われがちですが、それは違います。

 焼酎にも、日本酒にも、ワインにも含まれているアルコールは、分解の際に尿酸を産生します。加えて、アルコールは尿酸を尿中に排泄する働きも阻害するので、否応なしに尿酸値が上がってしまうのです。つまり、お酒は何を飲んでも尿酸値が上がってしまうのです。「ビールをたくさん飲んだ後に痛風発作が起こった」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、それはビールがほかのアルコールと比べてプリン体を多く含んでいるため、痛風発作が起きやすいというわけなのです。しかし、プリン体を含まない焼酎やウイスキーなどの蒸留酒でも多く飲めば尿酸値は上がるので、飲みすぎないことが肝心なのです。

 また、350ml缶ビール1本にはプリン体が約20mg含まれていますが、牛肉や豚肉100gには約100mgのプリン体が含まれているほか、鶏モモ肉には122mg、ウナギには92mg、納豆には113mg、サンマには150mg、エビには195mg、カツオには200mg、レバーには300mg、あんきもには400mgも含まれているといわれています。

 すなわち、敵はビールだけではありません。むしろ、ビールより肉や魚などの動物性たんぱく質のほうが、尿酸値を上げる原因かもしれません。ビールを飲む際に注意しなくてはいけないのは、ビアガーデンなどで大きなジョッキに何杯も飲んでしまうことです。屋上の涼風に吹かれて、ネクタイをはずして気分もゆるみ、おいしさゆえについ羽目を外して、おかわりしたくなる気持ちもわかりますが、やはり一番大事なのは我が身です。「お酒は適量」ということを肝に銘じていただきたいところです。

 最後に、もう一つだけ注意しておいていただきたいのは、とんこつラーメンです。とても大量のプリン体が入っていますので、間違っても「締めに一杯……」などと考えないようにしてください。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

●南清貴(みなみ・きよたか)
フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。