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JA、違法物件めぐり故人に巨額融資発覚 総額3億5千万円

文=編集部
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 7月2日、全国の農業協同組合(JA)を束ねる全国農業協同組合中央会(JA全中)は、次期会長にJA三重中央会会長である奥野長衛氏が内定したことを発表した。

 奥野氏は同日、報道陣に対し、「JA全中は(設立から)60年たった組織なので、色んな垢もたまる。透明性を持って、意思疎通のできる組織に変えていきたい」と、その意気込みを語った。

 これまでもJA全中のやり方について強く批判をしてきた同氏の当選は、JAグループ内でも組織への危機感が高まっていることの表れだろう。

 しかし、果たしてそう簡単に“60年分の垢”は落とせるのだろうか――。

 大阪のある建設会社関係者は、こう語る。

「2014年1月、兵庫六甲農業協同組合(JA兵庫六甲)が大阪府池田市にある違法物件に多額の融資をしていたことが発覚しました。7階建てとして登記されているにもかかわらず、実際には9階建ての建物なのです」

 同関係者によれば、JA兵庫六甲は12年8月、該当物件の所有者・A氏に対し、無条件で2億2000万円の融資を行ったという。しかし、債務者であるA氏は、同年11月にこの物件をB氏に譲渡。その際、建物のほか、土地の購入のために、JA兵庫六甲はB氏に新たに1億3000万円の融資を行った。

「実は、このB氏は、すでに亡くなっている人物だったのです。合計3億5000万円もの融資を行うにしては、あまりにJAの調査はずさんです。このことが発覚した時点で、JA兵庫六甲はA氏に別の融資を行う準備もしていました。点数稼ぎか知りませんが、本来農業者の支援を行うための組織が、別のところにお金を垂れ流していいわけがないですよ」(前出関係者)

 通常、大手金融機関による建築資金の融資は、金融庁の取り決めによって建築基準関係規定への適合性を証明する「建築確認証」だけでなく、建築完了後に検査を受けて最終的な証明となる「検査済証」の提出をもって行われることと定められている。

 しかし、JAは金融庁の管轄外であるため、建築確認証の確認までしか行われていなかったという。

 この件を受けてJA兵庫六甲は、今後は検査済証の確認までを必須としていくことを表明しているが、あくまで地方の組合のひとつが襟を正したにすぎない。

 果たして奥野氏は、このような垢をどこまで落とすことができるのか――その手腕に注目していきたい。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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