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牧野知弘「ニッポンの不動産の難点」

訪日外国人の「驚異的な伸び」は、東京五輪後も加速する アジアで激増の「豊かな人々」

文=牧野知弘/オラガHSC代表取締役
訪日外国人の「驚異的な伸び」は、東京五輪後も加速する アジアで激増の「豊かな人々」の画像1「Thinkstock」より

 日本を訪れる外国人の増加が止まりません。2011年に日本を襲った東日本大震災の影響で一時、年間622万人に落ち込んでいた訪日外国人客インバウンド)の数は、その後急速に回復し、13年には政府の念願であった年間1000万人を超え、翌14年にはその数は対前年比29.4%増の1341万人を数えるまでになりました。11年と比べれば倍以上の増加です。

 増加の勢いは今年に入ってからも落ち着くどころか「加速」しており、1~6月までの累計値(推定値)で914万人、対前年同期比で288万人の増加、率にして46.0%というすさまじい伸びを示しています。旅行業界大手JTBの試算では、15年の訪日外国人客数は1500万人の大台に達するとの予測が出されていますが、このままの増加率で推移すると1500万人を大幅に上回り、1900万人台に乗ることも視野に入ってきました。

「ビジット・ジャパン・キャンペーン」という活動があります。これは小泉純一郎政権だった03年4月1日に発足した外国人旅行者の訪日促進活動です。この活動は国土交通大臣を本部長に、関係省庁および民間団体、企業などが参加したビジット・ジャパン・キャンペーン実施本部を中心として、海外での日本旅行の広報活動や国内の外国人旅行者のためのインフラ整備などを目指す組織です。

 当時、訪日外国人客数は年間524万人にすぎず、日本から出国する外国旅行者数(アウトバウンド)の1652万人に対して、わずか3分の1以下という状況でした。キャンペーン本部は、当面の目標として10年までに1000万人の達成を目指すという当時としては極めて意欲的な値を掲げてスタートしたのでした。

 活動の成果は徐々に現れ、07年には800万人の大台に到達、1000万人も視野に入ったかと思われたのですが、08年に生じたリーマンショックによる世界的な経済活動低迷の影響、追い打ちをかけるように発生した東日本大震災の影響等で、当面1000万人の目標達成は遠のいたかに見えました。

 しかし、13年になり、震災からの復興が着実な歩みをすすめ、さらには同年9月には20年の東京五輪開催が決定するに至ると、日本を訪れる外国人客の数は急増したのでした。これまで政府は訪日外国人客数の目標を「20年に年間2000万人」としていましたが、この増加傾向でいくと、かなり早い段階でその大台を突破することはほぼ確実な情勢とみられています。

 今や東京・銀座、大阪・道頓堀のみならず、日本中のあちらこちらで数多く見かけるようになった外国人。その背景にはこのような短期間での訪日外国人の急増があったのです。

訪日外国人客増、その3つの理由

 最近の訪日外国人客の急増について、多くのメディアは「東京五輪の開催が決定した」ことを掲げ、こうした需要も五輪が終了すれば急速に萎むといった報道が目につきますが、これはやや的外れな指摘にみえます。

牧野知弘/オラガ総研代表取締役

牧野知弘/オラガ総研代表取締役

オラガ総研代表取締役。金融・経営コンサルティング、不動産運用から証券化まで、幅広いキャリアを持つ。 また、三井ガーデンホテルにおいてホテルの企画・運営にも関わり、経営改善、リノベーション事業、コスト削減等を実践。ホテル事業を不動産運用の一環と位置付け、「不動産の中で最も運用の難しい事業のひとつ」であるホテル事業を、その根本から見直し、複眼的視点でクライアントの悩みに応える。
オラガ総研株式会社

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