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安倍首相、TPPについて何も理解していない疑惑浮上 受けた報告をそのまま発言か

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衆院予算員会で質問する民主党・玉木雄一郎議員
 内閣改造後初めての国会論戦となる閉会中審査が11月10日と11日、衆参両院の予算委員会で行われた。例年なら秋に臨時国会が開かれるが、今年は安全保障関連法制の審議で通常国会が異例の95日間延長となり、さらに安倍晋三首相の外遊日程が相次いだため、見送られている。

 これについて野党は、衆参いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば臨時国会を開かなくてはいけないという憲法第53条を持ち出しているが、召集権を持つ内閣は同条に期限がないために応じる様子はない。野党にとってはこの2日間で、どのくらい政府を追及できたのか。問題はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、1億総活躍、高木毅復興相の下着泥棒疑惑など多岐にわたった。

攻めるべきものを攻めず、守るべきものを守れないTPP

 とりわけ注目されたテーマは、10月5日に大筋合意されたTPPだ。

 10日の衆院予算員会で質問に立った民主党の玉木雄一郎衆院議員は、ハワイやシンガポールなど交渉の現場に足を運び、大筋合意の舞台であるアトランタにも赴いた。

「果たして安倍首相はTPPについて理解しているのか。報告されたものをそのまま発言しているのではないか」

 このように玉木氏が訝るのは、大筋合意が整った後に開かれた10月6日の会見での安倍首相の発言だ。たとえば、お茶について安倍首相は「日本茶にかかる20%の関税がゼロになる。静岡や鹿児島が世界有数の茶どころと呼ばれる日が近いかもしれません」と述べている。

 ところがお茶の輸出総額は78億円(2014年)にすぎず、最多輸出国であるアメリカ、3位のシンガポール、5位のカナダではすでに関税ゼロが実現しているのだ。

「ベトナムについては現行22.5%の関税が、4年目に撤廃される。メキシコについては500トンの枠内で10%、枠外では20%の税率が即時撤廃される。またペルーについても関税が即時撤廃される。こうした機会をとらえて、これらの国に対する輸出拡大を期待する声がある」(安倍首相)

 要するに、TPPをきっかけに地方の産業が振興し、地方経済が活性化するというのだ。

「TPP反対」を公約に掲げていた自民党

 だが思惑通りにいくのだろうか。玉木氏によると、メキシコへのお茶の輸出量は全体の0.03%で、金額にして174万円。「これで静岡や鹿児島が世界有数のお茶どころというは、論理が飛躍しすぎではないか」「むしろ重要なのは関税の撤廃より、農薬の基準の統一化だ」と指摘する。