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確かに農薬の基準は、輸出の大きな障壁となっている。台湾については日本の基準を中国語に翻訳して提出すればいいが、EUの場合は非常に煩雑で、農薬の種類ごとに輸入基準を審査する国に申請し、その上でEU食品安全機構に持ち込まれ、EU委員会で許可を得る必要がある。認証にかかる期間は6~7年といわれ、その間に新しい農薬が開発されると最初からやりなおしになりかねない。費用も1億5000万~1億8000万円かかるといわれ、メーカーの負担は極めて大きい。
こうした論理矛盾に、「安倍首相はTPPについて何もおわかりになっていないのではないか」と玉木氏は追及する。「TPPをまとめれば、それでいいと思っているのではないか。TPPをまとめれば首相としての功績になるというイメージだけが、安倍首相の頭にあるのではないか。2012年12月の衆院選で、安倍自民党が国民に約束したことは忘れてしまったのか」。当時の自民党は「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない」を旗印に掲げて衆院選を闘っており、明らかに公約違反といえる。
一方で、最も影響を受ける農家の反発は大きい。10月28日付けの日本農業新聞での農政モニター調査では、69%が農産物の重要品目の聖域確保を求めた国会決議に違反していると回答し、安倍内閣を支持すると答えたのは18%にとどまった。
だがこうした声に応えるには、今回の閉会中審査だけではとうてい議論が足りない。
「11月下旬くらいにもう一度閉会中審査を行い、この件についてきちんと安倍首相の見解をただすべきだ」
予算委員会が終わった後、玉木氏はこう述べた。
(文=安積明子/ジャーナリスト)
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