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フジ、滑稽すぎる「バブルの余韻」押し付け感…人気女子アナの「裏の顔」発覚続出の醜態

文=古賀サチ子/清談社
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フジ、滑稽すぎる「バブルの余韻」押し付け感…人気女子アナの「裏の顔」発覚続出の醜態の画像1フジテレビ「Thinkstock」より

 フジテレビ加藤綾子アナウンサーが4月末で退社してフリーになることを発表し、10社以上の芸能プロダクションが獲得に動いたなどと報じられた。

 加藤といえば、情報サイト「オリコンスタイル」が毎年発表する「好きな女性アナウンサーランキング」で常にトップを争っている、フジの“不動のエース”だ。

 しかし、2015年末に発表された同ランキングで、加藤をおさえて首位に選ばれたのは日本テレビの水卜麻美アナだった。13年、14年に続き、水卜アナはこれで3連覇だ。

 さらに、男性部門でも、やはり日テレの枡太一アナが4連覇を達成し、トップ10には日テレ勢が4人もランクインしている。なぜ、日テレのアナウンサーがここまで人気なのだろうか。

水卜アナ人気の理由は、癒やし系キャラとぽっちゃり体形

「女子アナというのは、各々が持っている武器をどう生かすかが勝負です。その成功例が水卜アナだと思います。水卜アナは10年に日テレに入社し、11年春から『ヒルナンデス!』を担当。この年、日テレはフジから年間視聴率3冠を奪取しており、タイミング的にも好調日テレの象徴になりました。しかも、天然キャラで食欲旺盛。女子アナ界の中で、『親しみやすい癒やし系』というポジションを確立したことが、今の人気につながっています」

 こう語るのは、女性アイドル研究家でアナウンサー事情にも詳しいマンボウ北川氏だ。北川氏によれば、水卜アナの人気の一番のポイントはその親しみやすさにあるという。

「現在、女性誌のモデルにぽっちゃりタイプの人が起用されるなど、親しみやすさのある女性が注目されていますが、水卜アナもやはり“ぽっちゃりキャラ”です。このように、風潮が変わってきていることも、水卜アナ人気の追い風になっていると思います。

 彼女はテレビを観ていても邪魔にならず、むしろ視聴者に心地良い印象を与えます。そういう雰囲気は、いわゆる帯番組の出演者には特に必要な要素です。いじられキャラの水卜アナは、『ヒルナンデス!』でも“いじり”にきちんと対応しつつ、ほかの出演者を気にかけながら、決して出しゃばらずに進行していますが、これは簡単にできることではありません」(北川氏)

バブルを引きずるフジと、変化に対応した日テレ

 しかし、もともと女子アナといえば、圧倒的に強いのはフジテレビだったはずだ。実際、08年には前述のランキングで当時の看板アナ・高島彩が5連覇を達成し、殿堂入りを果たしている。ただ、最近は高島アナほどの人気者を輩出できておらず、加藤アナでさえ2連覇が最高で、ここ3年はいずれも2位に終わっている。

「加藤アナの場合、フジが『高島の後継者』としてわかりやすく視聴者に示し、彼女自身もその立ち位置をそつなくこなしてきたイメージがあります。しかし、そういった彼女のイメージは、例えば女性人気の高い男性との恋愛話などがあった場合に、一気に崩れてしまうような危うさがあります。一方、今や日テレの象徴といってもいい水卜アナの場合は裏表を感じさせず、女性にも好かれやすい。こうしたイメージの違いも、日テレのアナが人気を集める理由のひとつといえます」(同)

 確かに、フジのアナウンサーはプライベートが話題になることも多く、高島アナと加藤アナはギャル時代の写真が流出、08年には渡辺和洋アナの不倫報道が世間を賑わせたこともある。

 また、日テレの場合は世の中の変化にうまく対応した点も、今のアナウンサー人気独占につながっているという。そのひとつが、経費や局員の給料についてだ。

「1980年代後半から90年代初めにかけてのバブル崩壊後は、景気がどんどん低迷していきました。そんななか、例えばフジはいつまでもバブル時代を引きずった番組づくりをしている印象があります。しかし、今や世の中全体が『いかにお金をかけずに良いものをつくるか』という方向を目指しています。そのため、フジのバブリーな感覚が悪目立ちしてしまうのかもしれません。

 その点、日テレは違います。テレビ局員の給料は他業界より高いことで知られていますが、日テレではいち早く社員の給料を年俸制にし、1年ごとの契約更改にしました。結果的に社員の給料を下げることになったため、局内の優秀な人材が外部に流出したということもあるかもしれません。

 しかし、それでも、日テレがわかりやすく経費削減に着手し、それを隠すこともしなかった点は評価できます。現在のテレビ業界の状況を見れば、日テレのやり方が正しかったといえるし、他局は世の中の変化に対応できていない印象があります」(同)

男性アナの売り出し方から見える、日テレ好調の理由

 もうひとつ、今の日テレを象徴しているのが男性アナの人気だ。普段は女子アナの陰に隠れがちで地味な印象が否めない男性アナだが、前述のように桝アナがランキング4連覇を果たしている。

「日テレは他局に比べて、男性アナを積極的に売り出しています。例えば、枡アナが司会を務める『ZIP!』をはじめ、意図的に人気が出るように努力をしている印象があるのです。

 また、11年3月に日テレを退社し、現在はフリーの羽鳥慎一アナも人気者ですが、この2人に共通しているのはニュース記事を読む時とバラエティ番組の出演時ではまるで別人で、ギャップが大きいということです。例えば、枡アナは東京大学卒業のエリートでさわやかな知的キャラの半面、バラエティではビビリでオタク気質な一面を発揮します。こういった点でも、日テレと他局はまったく違います。

 もともと、テレビ局の多くは『アナウンサーといえども、あくまで社員』という方針でした。しかし私は、アナウンサーは『テレビ局専属のタレント』として使うべきだと思っています。それが、斜陽となりつつあるテレビ業界の立て直しにもつながると思います」(同)

 テレビ局の顔といえるアナウンサーに人気が出れば、局全体にも勢いがつく。アナウンサー人気には、今日のテレビ局が抱えるさまざまな問題が浮き彫りになっているようだ。
(文=古賀サチ子/清談社)

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清談社

せいだんしゃ/紙媒体、WEBメディアの企画、編集、原稿執筆などを手がける編集プロダクション。特徴はオフィスに猫が4匹いること。
株式会社清談社

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