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だから冤罪はなくならない!警察の違法な取り調べを助長させる裁判所の「身内びいき」

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取り調べでの違法性を認定された大阪府警察本部は「判決内容を検討し、今後の捜査に生かすべき点については、生かしていきたい」とコメントしたが--。写真は大阪府警察本部本庁舎(画像は「wikipedia」より)。

「答えろ、答えろ、答えろ」「これは命令やで」「80まで生きてそれか。くだらんな、不毛や」「人間やっぱり年っていうたら、プライドだけが残るな」

 刑事のこんな言葉が延々と続く取り調べ。それを記録したICレコーダーの録音などを証拠に、大阪府堺市の男性Aさん(82)が、黙秘権を告知されない取り調べで、自白を強要されたうえ、侮辱的な文言を浴びせられたなどとして府を訴えていた訴訟で、大阪地裁は、録音が残されていた取り調べについて、「相当性を逸脱したやり方で供述や自白を強い、不当な人格攻撃の発言を繰り返した」として違法性を認定した。しかし裁判所は、録音のない日の取り調べについては、男性の請求を退け、警察側の言い分を認めた。

「被疑者=犯人」と説明した取調官

 Aさんは、知人のBさんの顔を拳で殴ってけがをさせた疑いで、2013年9月9・11・12日、11月5・7日の5日間、大阪府警西堺署の取り調べを受けた。Aさんは、殴ったことはない、と容疑を否認したが、傷害罪で起訴された。しかし裁判では、法医学者の鑑定により、Bさんの傷は拳ではなく、もっと硬い物によってできたことが明らかになり、Aさんは無罪となった。検察側は控訴せずに、一審で無罪は確定した。

 取り調べを担当したのは、警察官になって8年目のK刑事。Aさんによれば、最初の取り調べで、K刑事はAさんの言い分をまったく聞き入れず、「あなたは犯罪者。犯罪者には黙秘権はないで。早く答えろ」と迫った。Aさんが少し横を向いたり、両手を組んで机の上に置いたり、時計を見るたびに、それを咎められ、「犯罪者はよくそんなことをする」などと責められた。

 相談を受けた弁護士は、取り調べを録音するようアドバイス。Aさんは、ICレコーダーを買い、2回目の取り調べの際、服の中に仕込んで録音した。それを聞くと、K刑事は黙秘権を告知しないまま、Aさんに事件があったとされる日の行動などを、調書に取るでもなく、繰り返し繰り返し語らせている。Aさんが「殴ってません」と何度言っても聞き入れず、「あんたが殴ったんや」「そこは誰でもわかる」などと決めつけた。Aさんが黙り込むと、「答えろ、答えろ」と迫る。取り調べの終盤には、こんな押し問答になった。

K「答えろ、答えろ。あんたが、そうまでして『やってない』と言い切る理由はなんや。答えろ! 答えろ! やってないという理由を答えろ!」

A「やってないからやってない」

K「じゃあ、誰がウソついてんや!」

A「知らん」

K「答えろ」

A「知らん」

K「『知らん』は通さん! あんたの『知らん』は聞き飽きたんや」

A「知らんから知らんと……」

K「知らんじゃない。考えろ!」

A「考えても……」

K「考えろ! これは命令やで!」

(※!は声の大きい部分につけた)