トースト、魚のこげ目、焙煎コーヒーは体に危険!糖尿病、脳梗塞、認知症の原因に
愛知県に住む友人が、「恥ずかしいけれど」と前置きしながら、野菜摂取量全国ワースト1は愛知県だと教えてくれました。事実、2013年12月に公表した12年の国民健康・栄養調査結果によると、愛知県は男女とも野菜摂取量が全国で最下位でした。その愛知県内で7番目に多い約18万人の人口を抱える豊川市は、「豊川市民には糖尿病予備軍が多い」として市内の学校などを含む公共施設にポスターを貼ってやんわりと警鐘を鳴らしています。
野菜の摂取量が少ないことが、そのまま糖尿病予備軍の数が多いことに直結しているのかどうか定かではありませんが、まったく関係ないとも言い切れないでしょう。
私たちが食べたものは、消化・吸収された後、体内で代謝されて体の一部になったり、体の修復のために使われます。常に変化し続けている私たちの体は、一瞬たりとも同じ状態ではありません。時間の経過と共に皮膚にしわが増えたり、目の機能が衰えたり、血管が硬くなったり、筋肉や骨が脆弱になったり、内臓器官のはたらきが鈍くなったり、脳の機能も衰えて記憶ができにくくなったりと、いわゆる「老化」が起こります。
その老化に密接にかかわっているのが「糖化」と呼ばれる現象で、糖化によってできる物質のことを「最終糖化産物」「終末糖化産物」といい、「Advanced Glycation End Products」の略称として「AGE」とも呼びます。
AGEはたんぱく質と糖が合わさってできたもので、それ自体に強い毒性があり老化を極端に進める原因物質といわれています。老化は、肌のシミ・シワをはじめとして、白髪やハゲ、腰が曲がる、腕が上がりづらくなるなど、見える部分が目立ちますが、それだけではなく、糖尿病をはじめとするさまざまな生活習慣病、認知症なども一種の老化現象であり、そこにはAGEがなんらかのかたちでかかわっています。
AGEが血管に蓄積すると心筋梗塞や脳梗塞に近づき、骨に蓄積すると骨粗しょう症になり、目に蓄積すれば白内障の一因となります。つまり、AGEは全身の健康状態に影響を及ぼしているといえます。体のあらゆる部位で老化を促進し深刻な疾病を引き起こすリスクとなるAGEを体内に溜めないことが、健康で長生きするための大事な要素となります。
これは愛知県だけではなく、超高齢化社会が目前に迫ってきている日本全体にかかわる問題です。私たち自身が、ただ長生きをするだけではなく高齢になっても健康でいることは、同時に社会全体が健全であるということと直結しているのです。