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渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

新聞紙面の半分が広告、押し紙で部数粉飾…詐欺的行為で優遇措置&巨額利益

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朝日新聞の紙面(撮影=編集部)
 本連載前回記事では、新聞の押し紙問題について言及したが、今回も新聞業界の闇に迫りたい。


 新聞の紙面を見ると、上部に小さな文字で「第三種郵便物認可」と書かれている。この「第三種郵便物」というのは、一言で言えば「公益性の高い出版物」に与えられる優遇措置であり、承認されることによって、郵送料を安く抑えることができる。地方などでは、この仕組みによって新聞配達が成立している部分もある。

 そして、この第三種郵便物は、もうひとつ大きな意味を持っている。公職選挙法の第148条は、新聞が選挙関連の報道および評論を掲載することの自由について規定しているが、3項のロに「第三種郵便物の承認のあるものであること」とある。

 つまり、第三種郵便物でない限り、選挙に関する報道や評論ができないのだ。選挙報道なき新聞を誰が読むだろうか。第三種郵便物の承認をされないということは、新聞社としての死を意味することになる。

 第三種郵便物の承認条件については、郵便法によって明確な規定がある。詳細は日本郵便のウェブサイト【※1】に譲るが、その中に「全体の印刷部分に占める広告の割合が5割以下であること」「1回の発行部数に占める発売部数の割合が8割以上であること」という文言がある。

 しかし、前回記事で言及したように、新聞業界は押し紙によって、発行部数と実売部数に大きな乖離が生じているのが実態だ。仮に、廃棄される押し紙が2割以上あった場合、実売は8割以下となるため、その時点で規定に反していることになる。

 また、紙面の5割以上が広告で埋め尽くされている新聞の実態もたびたび問題視されており、半ば常態化している。例えば、3月28日の朝日新聞(朝刊)を見ると、全40面のうち全面広告が17面を占めている。さらに、多くの紙面で記事下に5段広告や3段広告が掲載されているため、トータルで見れば5割を下回っているかどうかは微妙であり、約半分は広告を読まされていることになる。

 この第三種郵便物問題については、以前からさまざまなところで疑問が呈されてきた。しかし、新聞社をはじめとする大手メディアが取り上げることは皆無だったため、広く知られることはなかったのである。

日本郵政が新聞社を詐欺で訴えることも可能か


 また、郵政民営化以前の郵便局は総務省の管轄下にあったが、同省もこの問題に対して積極的に取り組むことはなかった。だからこそ、うやむやにされたままで、大きな問題にならなかったわけだ。しかし、2015年11月に日本郵政グループ3社(日本郵政、かんぽ生命、ゆうちょ銀行)は東京証券取引所第1部に株式上場を果たした。

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