コンビニ弁当やファミレスは危険!病気リスク大、食事にはお金をかけないと人体に深刻な事態
冒頭にあたり、このたびの九州、熊本・大分を中心とする地震によって被害を受けた皆様に、心からのお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられました方々に哀悼の意を表し、ご家族の皆様にお悔やみを申し上げます。
総務省は2016年3月の家計調査の結果を発表しました。それによりますと、2人以上の世帯における消費支出は、1世帯当たり30万889円ということです。これは、物価変動を除いた実質で、前年同月比5.3%の減少となります。市場予想では4.2%減だったのですが、それより大幅に落ち込んだといっていいでしょう。
そんななかで、家計にとっての食費の負担は増しています。同じ家計調査の結果では、勤労者世帯のエンゲル係数(消費支出に占める食費の割合)は23.9%で、明らかに上昇しています。
この背景には、日本銀行が2月に史上初めて導入した「マイナス金利」があります。これは、一般の銀行が持っている日銀当座預金の一部の金利をマイナスにするというものです。これまで、わずかとはいえ年0.1%の金利がついていた日銀当座預金ですが、逆に預けている側が年0.1%の金利を支払うことになったのです。
これは当然、銀行の収益を圧迫する要因となり、ひいては家計にも負担を与え、消費が伸びなくなるのは当然です。経済学者たちは、消費に影響が出て減少するのはもっと先と考えていたのかもしれませんが、庶民は意外なほど早い反応を示したのです。
マイナス金利がいつまで続くかわからないため、資産運用をあきらめて備えとしての「タンス預金」に替えたのです。現在の国内のタンス預金の残高は40兆円ほどと試算されています。それは使われるお金ではなく眠ったお金、むしろ“死んだお金”といってもいいのかもしれません。
政治も、そして経済までも信頼がおけなくなったと判断した一般庶民は、ひたすら消費を抑え、お金を自分の手元に置いておくという手段に出たわけです。結果的に財務省は、2016年度に印刷する1万円札を、前年度の1.17倍に相当する1億8000万枚(1兆8000億円分)とすることを決定しました。これが数年後にどのような結果をもたらすのかはわかりませんが、非常に憂慮すべき状況なのではないでしょうか。
筆者は以前から、「日本のエンゲル係数はもっと高くあってしかるべき」と主張してきましたが、今回のエンゲル係数の上昇は決して喜ばしいものではありません。逆に、消費そのものが縮小していくなかで、単純に割合としての食費の比率が上がっただけだからです。実質的な食生活のレベルが上がったということではないのです。