NEW
ルディー和子「マーケティングの深層と真相」(5月31日)

LINE上で検索も買い物もすべてのコトが済む時代へ…月額5百円スマホ投入で通話無料

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「Thinkstock」より

 5月28日付本連載記事『スマホ「アプリDL地獄」とグーグル検索の終焉 LINE上ですべて完結する時代突入の予兆』において、ボットと呼ばれるメッセンジャー・アプリ内の人工知能(AI)と会話するだけで、検索から選択、注文、支払いまでのタスクが完了するという仕組みが出来上がりつつある現状を紹介した。

 フェイスブックマイクロソフトが、このようなメッセンジャー・アプリのプラットフォーム化を進めているのは、これまでスマホ向け基本ソフトを牛耳り、スマホのアプリ市場を支配してきたグーグルやアップルに対抗するためだ。

 インターネットで何かを検索する場合、探している答え(リンク)が1ページに10件くらい出てくる。

 実際の生活のなかでは、誰か身近な人に「近くにドラッグストアがあるか?」などと尋ねた場合、その相手は「薬を買いたいの? それとも、ほかのもの?」と逆質問をしてくるだろう。それに返事をすることによって、ドラッグストアではなく近くにあるコンビニエンスストアの場所を教えてくれるかもしれない。

『合理的なのに愚かな戦略』(ルディー和子/日本実業出版社)
 それと同じように、自分が探したいものを明確にさせるためのやりとりをボットとすることになる。多くのユーザーがスマホで慣れているテキストメッセージの形式でボットと会話をするのは、実生活で人間同士がやりとりをしているコミュニケーションに近い。

 企業はボット時代を歓迎するはずだ。なぜなら、消費者や客に到達するためにHP、SNSページやアプリを構築し維持するのは、経費も時間もかかる。

 AIを採用したボットが増殖すれば、グーグルで検索する人が少なくなるかもしれない。また、アプリの必要性も減るかもしれない。そして、そういったアプリを販売するアプリストアの重要性も低くなるだろう。多くのHPも時代遅れの無用なものになるかもしれない。HPなどなくしてしまい、ボットに情報を与え、メッセージアプリから提供すればよいのだ。

 グーグルもメッセージサービスを提供してはいるが、今のところユーザー獲得には成功していない。2014年に世界で6億人の月間アクティブユーザーをかかえるWhatsAppを買収しようとしたが、フェイスブックが先に183億ドルで買収してしまった。そこで今は、自前でAIと機械学習の技術を利用した優秀なAIボットの開発を進め、そのボットが活躍するメッセージサービスを提供する予定だと報道されている。

 検索の王様の座は、優れたAIボットを開発しなければ守り抜くことができないことをグーグルも自覚しているのだ。