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田中洋「マーケティングのキーインサイト」

私達が消費する情報の7割はテレビ…「ネットによる情報バクハツ」という幻想

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「Thinkstock」より

「現代社会は情報過剰である」といえば、多くの人がおそらく賛成することでしょう。

「私たちはインターネットによって情報量が加速度的に増加する社会に生きており、情報の洪水に溺れている」
「私たちはウェブから溢れる情報量をコントロールできていない」

 こうした主張が、広告業界関係者、インターネット広告オンライン動画サービスの提供者たちによって主張されているのをよく見かけます。こうした「業者」たちは、おそらく次のようなことを主張しているのでしょう。

 我々は情報過多の社会に生きており、マス広告であろうが、ネット広告であろうが、少しばかり広告を流したところでターゲットに届く確率はどんどん低くなっている。このために、我々のようなスキルをもった広告業に依頼すれば、的確に情報をターゲットに届けることができる――。

 ある動画サービスのHPでは、次のように書かれています。

「今の時代は、届けたい情報が届かない状況となっており、その傾向はこれからも続くと思われます。マーケターとしては、その前提を認識しておく必要があります。そしてインターネットにおいては効果検証がしやすく、費用対効果も測りやすいですが、そもそも届かない状況になってきている昨今では、その「情報の届け方」にテクニックが必要になりそうです」(動研のHPより)

 我々が情報過多に陥っているその「証拠」としてよく見かけるのが、情報通信政策研究所が調査している「情報流通インデックス」のデータです。2009年度に調査された結果によると、01年度の情報流通量と消費情報量をそれぞれ100とすると、09年度には情報流通量が199に達していたのに対して、消費情報量は109にとどまっています。図1に掲げた総務省が作成した図は、頻繁に引用されています。