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鬼塚眞子「目を背けてはいけないお金のはなし」

親の介護&実家整理問題が、あなたの人生や親族関係を破壊…介護前から話し合え!

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「Thinkstock」より

 厚生労働省から正式発表はないものの、安倍政権が「最大のチャレンジ」と謳う「働き方改革」を受け、同省が来年1月に施行される育児・介護休業法の改正で、家族の介護をしている労働者の残業を免除する制度を企業に義務づける方針を決めたと一部では報じられている。

 この制度の導入は、従業員にとって大きな光明となるのか。ひいては介護離職に歯止めをかけることはできるのか。そのために企業や従業員はどういった対応や心構えをすればいいのか、本連載前回記事に引き続き、今回もこれらの点について検証していきたい。

非常に個人差が大きい


 介護問題をより複雑化させるのは、介護は非常に個人差が大きいという点だ。一口に介護といっても、単に身体機能が低下した人もいれば、がん末期の人もいる。認知症といっても、よく知られるアルツハイマー以外にも認知症はある。

 認知症ひとつをとっても、単に記憶力の著しい低下だけで穏やかに日々を過ごす方もいれば、親族や介護関係者を噛んだりつねったりと暴力を振るう人もいる。同じ職場の中で、同じく親族の介護経験がある人の間でも、その対象者に暴力性がある場合とない場合がある。頭では理解したとしても、壮絶な苦労を肌身で実感することは到底無理だ。結局、同僚から「大袈裟」「我慢が足りないのでは?」と、心ない言葉を浴びせられた人もいる。

 介護期間にしても早ければ半年のケースもあるが、20年近く介護を続けている人もいる。介護は先行き不透明なのである。「悪気はないのはわかっているけど、『長いねぇ、まだやっているの?』と言われて傷ついた。10年以上も介護を続けて、精神的な疲れも蓄積する。それを言いたいのは、自分自身なのに」と、相談の途中に泣かれる方もいる。

 地域格差という問題も見過ごすことはできない。在宅介護にしても、失便・失禁が少なく、親族の理解と協力、住居問題、かかりつけ医の受け入れ態勢などがクリアされていれば、看取りまで行うことは不可能ではない。しかし、そうではない場合、在宅介護に限界があることは事実だ。しかし、いまだに「施設に入れて、親を捨てる気か」との見方をする地方も存在することは確かだ。

深刻な親の住宅問題


 親の住宅問題も深刻だ。特にマイホームの場合、いつまでその家に住むのか、当面住むなら住宅改修はどうするのか、処分はいつのタイミングでするのかといった今後の展開は、本来は最初に考えておきたいことだ。