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山崎俊輔「発想の逆転でお金に強くなる『お金のトリセツ』」

なぜお金が貯まらない?「貯め時」は人生で3回しかない?多額の損を生むお金の使い方

文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

今お金が必要でない時ほど、「貴重な貯め時」と考える

 そうなると、「独身時代(実家暮らし)」と「新婚時代(子どもが生まれるまで)」の期間が人生を通じて重要な「貯め時」になるわけですが、当人は自分の「今」が人生を通じて貴重な数年間であることを自覚していないことがほとんどです。

「結婚する前が大事な『貯め時』だから、結婚後のことを考えて1000万円貯める覚悟をしなさい」、あるいは「結婚したなら子どもが生まれるまでは年収の20%以上は貯めておきなさい」などと言われても、おそらく実行に移せる人はほとんどいないはずです。

 実際にお金が必要となる時期は遠い未来で、時間的ギャップがあるため、合理的にお金を貯めることができないことは、行動ファイナンスの研究でもよく指摘されていることです。

 しかし、非合理的になってしまう要因のひとつは「そもそも必要性を理解していない」という段階にあります。もしかすれば、このコラムを読んで「気づき」が得られた人は、5年後や10年後に非合理的な時間を過ごさすにすみ、過去を後悔せずにすむかもしれません。

「貯め時」が長いライフスタイルもある

 ところで、「子育て」というキーワードが「貯め時」には大きく影響してきます。子どもを育てるためにはどうしてもたくさんのお金が必要であるからです。日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査(平成27年度)」によれば、高校から大学にかけての7年間で、899万円かかるとしています。生まれてから社会人になるまでにかかるすべての費用を積み上げると2000万円前後という調査もあるほどです。

 これは言い換えれば、DINKS(正社員共働きで子どもがいない場合)やシングル(正社員)の場合は、おおむね貯め時が続くことになります。

 もし独身生活や子どもがいない夫婦生活を過ごしている人は、年齢にかかわらずずっと「貯め時」の可能性がありますので、ぜひ今からお金を貯めるチャレンジに取り組んでみてください。
(文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表)

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

1972年生まれ。中央大学法律学部法律学科卒業。企業年金研究所、FP総研を経て独立。個人の資産運用や老後資産形成のアドバイスが得意分野。日経新聞電子版やYahoo!ニュースなど多数連載を持つ。月間PVは200万以上。
フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャルプランナー
financialwisdom

Twitter:@yam_syun

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