UQコミュニケーションズは10月24日、KDDI(au)のMVNO(仮想移動体通信事業者:自社でモバイル通信のネットワーク設備などを持たずに、大手キャリアの回線を一部買い上げてサービス提供する事業者)として展開するスマートフォン向け通信サービス「UQ mobile」の新製品・サービスを発表した。対応端末数が少ないなど、auのネットワークを使っているというハンディキャップを抱えるUQ mobileだが、それを乗り越えて端末数を増やし、大規模なキャンペーン施策を打ち出すなど、攻めの姿勢をみせている。その背景には、何があるのだろうか。
今年に入り新サービス・端末を次々打ち出すUQ mobile
WiMAX 2+のネットワークを自社で敷設し、UQ WiMAXブランドで主にWi-Fiルーターなどを提供してきた、KDDI傘下のUQコミュニケーションズ。だが昨年10月に、UQ mobileブランドでau回線を用いたMVNO事業を展開していたKDDI子会社、KDDIバリューイネイブラーと合併。MVNOとしてスマートフォン向けの通信事業も展開するようになった。
KDDIバリューイネイブラー時代はあまり存在感が大きいとはいえなかったUQ mobileだが、合併後はUQコミュニケーションズが事業展開を積極化。今年2月には、1GBの高速通信容量と1200円分の国内無料通話が、月額2980円で利用できる「ぴったりプラン」の提供を開始。7月1日からは、そのぴったりプランの基本料を13カ月間、1000円割り引く「イチキュッパ割」などの提供を開始した。
もうひとつ、大きな注目を集めたのが、6月29日にアップルの「iPhone 5s」を取り扱うと発表したことである。iPhone 5sは、当時としては2世代前の旧機種ながら、日本では非常に人気のあるiPhoneシリーズの端末であることに変わりはない。そのiPhone 5sを、大手キャリアの傘下企業であるとはいえ、MVNOとして初めて正規に販売したことから、大きな話題となったわけだ。
その後もUQコミュニケーションズは、9月に初めての自社ブランドショップ「UQスポット」を展開したほか、量販店でauとの販売連携を開始。UQ mobileの販売拡大に向けた施策を次々と打ち出している。