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黒田尚子「『足るを知る』のマネー学」

もし妻や夫が「がん」になったら、あなたは具体的にどうすべきか?精神面、実生活、お金…

文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー
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もし妻や夫が「がん」になったら、あなたは具体的にどうすべきか?精神面、実生活、お金…の画像1「Thinkstock」より

「もしも妻ががんになってしまったら?」

 あなたはどう行動すべきかを、考えたことがあるだろうか。「ウチの奥さんはまだ若いから大丈夫だろう」などと考えている人は、以下のグラフをみていただきたい。

 一般的に、がんは高齢になるとリスクが高くなり、女性に比べて男性の罹患者が圧倒的に多い病気なのだが、実は30代から40代にかけては女性のほうが男性よりもがんになりやすい。つまり「がん年齢」は、男性より女性のほうが若いのだ。

もし妻や夫が「がん」になったら、あなたは具体的にどうすべきか?精神面、実生活、お金…の画像2

 これらを押し上げているのは、子宮頸がんや乳がんなど女性に多いがんの存在である(ちなみに、乳がんは男性も発症する)。

 私自身も40歳の時に乳がんに罹患した。今から7年ほど前のことである。その当時、夫は43歳、子どもは5歳だった。妻、母、娘といったいくつもの役割を担う私ががん告知を受けたことは、家族に大きな衝撃を与えた。母などは性格的なこともあるのだろうが、どっちががん患者なのかわからないくらい、落ち込んでしまった。

 告知された際に、「5年生存率50%」と宣告を受けたことも衝撃だった。夫はこれから小さな子どもを抱えてどうなるのか、非常に不安に感じたことだろう。同時に、私ががんになったこと、それに気付かなかったことを自ら責めているようだった。

基本は「普段通り」接する+αがベスト

 妻あるいはパートナーががんに罹患した場合、夫や家族はどうすべきか。

 なお、がん告知を受けた後のやるべき具体的な内容については、2月16日付本連載記事『突然のがん宣告、間違いだらけの初動対応…病院選びやお金、その後の人生を大きく左右』で詳しく書いたので、そちらをご参照いただきたい。ここでは、基本的なスタンスや考え方について述べてみよう。

 がん患者になった妻の立場から申し上げると、基本的には、これまで通り接するのが一番良いのではないかと思っている。もちろん、がんの種類や病期(ステージ)によってもケースバイケースであるし、告知直後から夫も必死になって一緒にがんという病気や治療について調べたり、考えたりしてくれる姿を見て、素直に嬉しく感じたことをよく覚えている。

 しかし、がんの治療において、手術は「入口」にすぎない。その後、5~10年、人によっては一生治療が続く場合もあるのだ。そんな状況のなか、夫も気を張り続けていたのでは身が持たない。

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

 1969年富山県富山市生まれ。立命館大学法学部卒業後、1992年、株式会社日本総合研究所に入社。在職中に、FP資格を取得し、1997年同社退社。翌年、独立系FPとして転身を図る。2009年末に乳がん告知を受け、自らの体験から、がんなど病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力。聖路加国際病院のがん経験者向けプロジェクト「おさいふリング」のファシリテーター、NPO法人キャンサーネットジャパン・アドバイザリーボード(外部評価委員会)メンバー、NPO法人がんと暮らしを考える会理事なども務める。著書に「がんとお金の本」、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実(リアル)」(セールス手帖社)、「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「入院・介護「はじめて」ガイド」(主婦の友社)(共同監修)など。近著は「親の介護とお金が心配です」(主婦の友社)(監修)(6月21日発売)
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