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「差別助長」批判渦中のあの有名市議、市議会が爆破予告受け辞職勧告

文=秋山謙一郎/ジャーナリスト
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「差別助長」批判渦中のあの有名市議、市議会が爆破予告受け辞職勧告の画像1爆破予告を受けた行橋市役所(「Wikipedia」より/Waka77)

 9月8日夕方、一本の電話が福岡県行橋市役所に入った。

「市役所を爆破する」

 脅迫犯は福岡県行橋市議会議員の小坪慎也氏の名前を挙げ、こう告げた。

「辞職せよ。辞意表明が行われなければ、(市役所は)火の海に包まれるだろう」

 その後、脅迫犯から名指しされた小坪氏は市議会で「謝罪及び必要な行動を自ら行うことを求める」との決議を受けた。

議会が辞職勧告を行ったワケ

 小坪氏はブログで積極的な情報発信を続けており、インターネット上では知名度の高い地方議員だ。なぜ議会では、脅迫犯ではなく小坪氏が加害者のように扱われたのか。

 そこには「ヘイトスピーチ」をめぐるセンシティブな問題が透けて見える。

 発端は4月に発生した熊本地震だ。小坪氏は産経新聞社が運営するオピニオンサイト「iRONNA」からの依頼で執筆した。その記事は『「朝鮮人が井戸に毒」に大騒ぎするネトウヨとブサヨどもに言いたい!』とのタイトルがつけられている。

 この扇情的なタイトルの影響もあってか、事態は思わぬ方向へと進む。

 5月11日、「公人のヘイトスピーチを許さない会」という団体が福岡県弁護士会へ人権救済を申し立てた。

 この申立は「小坪氏の投稿が差別を助長」し、「公然とデマを擁護し、最悪の事態を引き起こしかねない」という理由からなされている。その後も同団体は、ネット上で署名運動などを展開、9月6日には処分を求める陳情書を市議会に提出した。

 このような経緯の後、9月8日に行橋市役所は爆破予告を受けた。この事件を取材した地元記者は、次のように語る。

「脅迫の電話主は『ヘイト』という言葉を繰り返していたようです。小坪議員の辞職を迫っていることから、『iRONNA』への小坪議員の寄稿原稿が背景にあるとみていいでしょう」

 行橋市議会は、脅迫の被害者である小坪氏に対して「謝罪及び必要な行動を自ら行うことを求める」という決議を採択し、事実上の辞職勧告を行った。共産党による動議に、政敵の公明党も乗っかった格好で決議された。

 市議会による辞職勧告では、小坪氏が「今年4月の熊本地震発生時、SNS上で差別的に捉えられる意見表明を行ったこと」が発端と指摘し、これが「市民・国民に迷惑を及ぼし、結果、行橋市議会の信用が傷付けられた」と結論づけた。

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