中国、沖縄の対岸に最新鋭ステルス戦闘機を配備か…尖閣諸島奪還が目的か、挑発先鋭化
中国広東省珠海で11月に開かれた航空ショーで、中国人民解放軍空軍の最新鋭ステルス戦闘機「殲20(J20)」が初めて披露された。会場の上空を旋回し低空飛行したが、その間わずか1分間だった。それだけに、具体的な性能は想像するしかないが、米空軍がすでに実戦配備している次世代型最新鋭ステルス戦闘機F22と全長及び全幅は変わらず、その外観も似通っている。
中国空軍スポークスマンは「J20 の開発は計画通りに進んでおり、米空軍のF22に匹敵する。J20は国家の主権と安全、領土保全の維持という使命に寄与する」と強調していることから、中国の軍事問題に詳しい専門家の間では、沖縄県尖閣諸島の“奪還”に向けて、台湾海峡をはさんで尖閣や台湾と目と鼻の先に位置する東部戦区に、この最新鋭機「J20」を実践配備するとの見方が出ているのだ。
これは、このところ「一つの中国」政策や中国の経済政策を激しく批判しているドナルド・トランプ次期大統領に対する、中国の軍部強硬派からの牽制とみる向きが多い。
ある中国軍事専門家によると、J20はこれまで20年以上の歳月を要して、中国が自力開発した高性能戦闘機で、スポークスマンが語るようにF22の対抗機として、米軍を強く意識したもの。それだけに、実戦配備されるのは米軍が駐留する沖縄や、将来の統一を目指す台湾の対岸に位置する福建、浙江、江蘇の各省や上海市を管轄域に置く東部戦区で、「中国軍幹部からは、配備時期は『早ければ来年初頭』と聞いている」と同関係者は明かす。
中国の挑発行為
その予兆はあった。中国国防省は9月下旬、中国空軍の爆撃機や戦闘機、空中給油機など40機以上が西太平洋で訓練を実施し、一部は沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡上空を通過したことを明らかにしている。
中国空軍の申進科報道官によると、西太平洋では核ミサイル搭載可能なH6K爆撃機のほか、SU30戦闘機や空中給油機などが哨戒や戦闘、空中給油などの訓練を行い、「空軍の遠海実戦能力のテストおよび東シナ海上空の防空識別圏で爆撃機と戦闘機による定期的な哨戒飛行も実施した」としている。
さらに、12月10日午前、電子偵察機を含む中国空軍の編隊が再び沖縄本島と宮古島の間を超えたのだが、そのあとの行動が前回とは違った。これらの編隊は台湾南部の空域とバシー海峡を通過し、台湾島を1周旋回した。台湾軍機はスクランブルをかけて、中国軍機を追尾しており、あわや空中戦になる可能性もあった。これは、明らかな中国側の挑発行為といえる。