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小保方晴子氏が「人権侵害」申立でBPO審理のNHK番組、実験責任者の若山教授が協力の謎

文=大宅健一郎/ジャーナリスト
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 STAP幹細胞は、若山氏が提供したマウスを基に小保方氏が作製したSTAP細胞を、若山氏が改変したものだが、若山氏は14年6月、STAP細胞は若山研究室が提供したマウスに由来するものではないとの解説結果を発表していた。しかし、理研・多細胞システム形成研究センター(CDB)は同番組の放送に先立つ同年7月22日、この解析結果は誤りであり、STAP細胞は若山氏から提供されたマウスからつくられてはいなかったという主張を否定した。若山氏も同日、研究室のHP上で訂正文書を掲載した。

 こうした事実経緯があるにもかかわらず、同番組によって、小保方氏が外部からマウスを持ち込んだという認識が世間に広まった。

(3)小保方氏の研究室

 同番組では研究室をCGで再現し、小保方氏が壁で仕切られた小部屋で誰にも見られず一人で実験していたと紹介された。それが、小保方氏によるES細胞混入疑惑への伏線となっている。しかし、筆者の取材によれば、小保方氏のデスクや実験をしていた場所も、壁が隔てることなく丸見えの場所であったことがわかっている。

(4)小保方氏と若山氏の関係

 STAP細胞研究時、小保方氏は若山氏の研究室の客員研究員であった。つまり、若山氏は小保方氏の上司にあたり、研究室の主催者(PI)である。番組では小保方氏と若山氏は研究パートナーとして紹介され、まるで対等の立場であったかのように表現されている。ちなみに研究室のPIは、マウスや細胞の管理責任があるだけでなく、その購入権限を持ち、PIの決済なしに外部からマウスや細胞を持ち込むことは不可能である。それだけPIには大きな権限があり、若山氏と、その下で働いていた客員研究員の小保方氏は対等な立場とはいいがたい。

(5)緑に光るマウス

 同番組では「小保方氏は万能性を示す遺伝子が発現すると緑に光るマウスを使用して実験を行っていた」と紹介されている。しかし、実際には小保方氏は「常に全身が緑に光っているマウス」で実験を行っていたため、この実験でできる細胞塊はすべて緑に光っていた。

(6)実験ノートの公開

 同番組では、小保方氏の実験ノートの一部が公開されていた。番組では「(ノートにキメラマウスの)実験成功の記述はどこにあるのか。小保方氏に文書で質問したが答えは返ってこなかった」と解説されているが、キメラマウス実験の管理責任者は若山氏であり、若山氏の実験ノートも公開するのが公平であろう。

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