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蒲谷茂「自分のからだは自分で守る」

延命治療はやめてください…「終末期治療の中止を求める意思表明書」 

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「Thinkstock」より

 先日、私は誕生日を迎えました。Facebookをしているので、自分の誕生日を登録してあります。すると、Facebook上で友だちになった人をはじめ、昔からの知り合いも含めて、いろいろな人からメッセージが届きました。この歳になって、直接お目にかかっていない人からもお祝いのメッセージをいただくと、なにやら考えることもあります。

 子どもの頃、正月に叔父のところへ年始のあいさつに行ったとき。お年玉が目的ですが、叔父が「正月や冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」という一休さんの言葉を紹介してくれました。「昔は正月になると皆一様に歳を取ったものだ。年を取ればそれだけ死ぬ時が近づいてくる。だから、めでたくもありめでたくもなし」という意味ですが、この言葉は、子ども心に強烈な印象を残しました。

 私は拙書『自宅で死にたい』(バジリコ)で、自らの終末について書いたのですが、誕生日はまさに冥土の旅の一里塚。そこで、誕生日を機に終末宣言をすることをお勧めしたい。

 若い人はそんなものはいらないと思うでしょうが、そろそろ自分の最期をどのようにしようかと考えている人は、ぜひやってみましょう。私が推奨する終末宣言のひな型を紹介しておきましょう。

 愛知県がんセンター名誉総長大野竜三(りゅうぞう)氏が提案されています。『自宅で死にたい』でも紹介したのですが、原本は大野氏の著書『自分で選ぶ終末期医療』(朝日新聞社)にあります。以下に引用します。

終末治療の中止をもとめる意思表明書

 私はこれまでの人生を、私なりに一生懸命生きてきました。

 ここに、私の人生が終わるとしても、決して悔いはありません。

 いま、私は意識を失うような状態に陥っていると思います。あるいは、呼びかけに応じているかもしれませんが、意識はもうろうとしていると思います。ということは、私はいま自分の力では水も飲めないし、食べ物を食べられないでしょう。

 自分で呼吸できない状態にあり、人工呼吸器により呼吸をしているかもしれません。繰り返しますが、私は、いま私の人生が終わるとしても、決して悔いはありません。
 
 ですから、もし、人工呼吸器をつけてから四八時間経っても、私の自発呼吸が戻らなかったら、人工呼吸器を外してください。

 たとえ、自発呼吸がある場合でも、もし意識を失ったり、もうろうとなってから四八時間経っても意識が戻らなかったりもうろう状態が続いていたら、点滴も栄養補給もやめてください。

 もし、私の意識状態に明らかな回復兆候がみられる場合には、さらに二四時間待っていただき、その時点で、私の意識が戻っていなかったり、もうろう状態が続いていたら、点滴も栄養補給もやめてください。

 意識の判定は、厳密にしていただく必要はありません。ふつうの呼びかけに対し、声を出して答えなくなったら、意識はなくなっていると判断してください。

 また、点滴と栄養補給をやめた後、私が自力で飲み食いできる状態にないなら、無理に飲ませたり食べさせたりしないでください。

 もちろん、そうなったら、昇圧剤も輸血も人工透析も血漿交換などもやめてください。

 もし、私が苦しがっているように見えるならば、その状態を緩和していただける治療は、喜んでお受けします。

 ただし、昇圧剤や脳圧低下薬などの、延命のための治療はやめてください。

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