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有馬賢治「今さら聞けないマーケティング 基礎の基礎講座」

なぜプリンタは安くても交換インクは高い?なぜマックのセットを買ってしまう?

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「Thinkstock」より

「日本企業には優れた技術があるが、マーケティングのノウハウがないために海外企業に負けてしまう」という解説がよく聞かれ、書店にはマーケティングに関する書籍があふれている。

 本連載ではここまでマーケティングにおける「4Ps」や「製品ライフサイクル」などについて説明してきたが、今回は製品価格に関する「プライシング」について立教大学経営学部教授の有馬賢治氏に解説してもらった。

安く見せたい「端数価格」と上等に見せたい「威光価格」


――製品と価格の関係の基本はなんでしょうか。

有馬賢治氏(以下、有馬) 売り手は買い手に対して製品やサービスを提供し、買い手は売り手に対価を支払います。このような「金銭による対価」を“価格”と呼びます。ちなみに、価格が生じないケースとしては、物々交換ができる無料掲示板の『ジモティー』などが挙げられます。

――企業はどのように価格を決定するのでしょうか。

有馬 企業目線の価格決定においては、大別して2種類のマーケティング目標があります。ひとつはフェラーリやマクラーレンなど価格が何千万円もする高級車のように、製造までに必要とされたコストの回収を主目的とするものです。これらは利益の最大化を目標としていますので、商品の単価は高くなります。一方で、コストの回収よりも市場でのシェアを重視する価格設定もあります。ソフトバンクの料金プランが他のキャリアより先んじて安くするのは、こういった狙いがあるわけです。

――シェアを広げておけば、消費者が次に購入するときも自分の会社を選んでもらいやすくなるという側面があるわけですね。

有馬 そうですね。これらは企業側の事情で決められる価格ですが、その他にも消費者心理を考えた価格設定もあります。98円や9800円といった「端数価格」は、切りのいい価格にするのと比べて会社の利益的にはほとんど変わりませんが、桁を減らすことで安く感じさせる効果があります。反対に、腕時計などは安いとむしろマイナスな印象を持たせてしまう場合があるので、高品質なものをつくっているというアピールも含めてプレステージな価格をつけます。これを「威光価格」といいます。

価格設定で媚びを売るのではなく、安心させる


――なんでもかんでも安く見せればいいわけではないという点で、価格設定の難しさを感じます。他にも特徴的な価格設定はあるのでしょうか。

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