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安倍昭恵氏、なんでも感動の「危険な感性」…安倍政権、旧来型金権政治より危険な政治に

文=粟野仁雄/ジャーナリスト
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安倍昭恵氏、なんでも感動の「危険な感性」…安倍政権、旧来型金権政治より危険な政治にの画像1安倍昭恵氏(写真:ロイター/アフロ)

 森友学園をめぐる騒動が浮上してから3カ月以上が過ぎた。すでに籠池泰典氏は理事長職を長女の町浪(ちなみ)氏に譲った。瑞穂の國記念學院の建設で3種類の契約書を作成し補助金を詐取した疑惑で、一部では「連休明けにも大阪地検が動く」などと言われていたが動かなかった。ある大阪地検の元幹部は語る。

「捜査として入りやすいのは補助金適正化法違反です。贈収賄の請託のような目的を証明する必要がなく、不正な金額さえはっきりしていれば立件できる。さらに補助金を出す側、受ける側の両方を断罪できる」
  
 森友問題の火付け役の木村真豊中市議らが、近畿財務局について人物を特定せずに背任罪で大阪地検に告発している。背任罪は銀行や企業などの幹部が悪事を働き、組織の存在が危機に瀕して社員が路頭に迷うようなことを防ぐためのもの。国が国有地を不当に低額で売却した疑いの持たれている森友問題では、背任罪の被害者に当たるのは納税者だろうが、地検は告発を受理している。

 大きくは報道されなかったが、自民党の衆院議員が森友学園のHPから安倍晋三首相夫人の昭恵氏の写真削除を求めていたことが判明した。削除させた大塚高司衆院議員(大阪8区)は「昭恵さんが利用されているのが、いかがなものかなと感じた」と説明している(5月10日付朝日新聞)。しかし、削除要請は森友問題が大きく報道された後だ。利用されているというなら、騒動発展の前に削除を求めてしかるべき。騒動で「首相が危ない」と思っての行動としか思えない。

 昭恵夫人が騒動直後に慌てて瑞穂の國記念學院の名誉校長を退任したが、そもそもなぜ引き受けたのか。「森友学園の教育方針に共感した」ということだが、本当に極端な国粋主義的教育に感銘したのだろうか。総理夫人というだけで全国各地で講演などのイベントに引っ張られる。教育論を語る機会もあるだろうが、「私も教育現場にかかわれるなら」という理由で、森友学園の件も引き受けたのではないか。だが、運動会などで子供たちが教育勅語を諳んじ、「安倍総理、がんばれ」と声を揃える、まるで独裁国家の子供のような姿にも素直に感動して泣いてしまう「純情ぶり」を発揮する。そして安倍首相の国会答弁と矛盾する映像が、次々と報じられてしまった。

 森友問題をめぐっては、鴻池祥肇自民党参院議員(兵庫県選出)など、数人の政治家の名前も浮上したが、さして大きな金が動いた形跡もなさそう。やはり国有財産の不可解なダンピングは「強い政権」に媚びて出世したい官僚たちの「首相や夫人に恥をかかすまい」という「忖度」であろう。国有財産の処分の行方が、国の行政トップと身内の「好み」、そしてそれを「忖度」「斟酌」する取り巻き官僚で決まってしまうのなら、金が動くような旧来型の贈収賄よりも怖いことではないだろうか。大阪地検の動きを見守りたい。
(文=粟野仁雄/ジャーナリスト)

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