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「糖質制限」では「どのぐらい食べて」いいのか?釜池式・江部式・山田式の違いを徹底解説

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3種類の「糖質制限」を徹底解説(depositphotos.com)

「糖質制限」は何人もの医師が紹介し、国内で広めていますが、それぞれに糖質制限のやり方(どのぐらい糖質摂取を抑制すればいいか)が異なります。このため、複数の意見を読んで混乱される人たちもいます。

 今回は、代表的な3つの糖質制限法を比較してみたいと思います。

釜池式断糖食、江部式スーパー糖質制限、山田式ロカボ

 最初は「釜池式断糖食」です。日本で最初に糖尿病の治療に糖質制限を使いだしたのは、整形外科の釜池豊秋先生です。釜池先生は「糖質摂取なんて百害あって一利なし」という考えのもと、食材から除けないごく少量の糖質以外は摂らない食事法を推奨されます。

 釜池式糖質制限では「食事1回当たりの糖質摂取は5g以下、1日トータルでも20g以下」です。さらに「筋トレ+有酸素運動」といった運動を組み合わせる「釜池式+α」の有効性も説かれています。

 次に「江部式スーパー糖質制限」。糖質制限を日本中に広めたのは、漢方医学に詳しい京都の内科医・江部康二先生でした。2005年に『主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ』(東洋経済新報社)という本がヒットしています。この方法は釜池先生の考え方を基にしたものですが、糖質制限は現実的な数値までに抑えています。

 江部式スーパー糖質制限では「食事1回当たりの糖質摂取は20g以下、1日トータルで60g以下」です。糖質制限するのを、1日2回(晩御飯は必ず)、あるいは1日1回(晩御飯だけ)という、「スタンダード糖質制限」や「プチ糖質制限」も提唱されています。糖質制限するのが困難、もしくは軽症の糖尿病や予備軍の場合は、これも有効とされています。

 最後は「山田式ロカボ」です。山田悟先生は日本糖尿病学会の中心メンバーで、早くから糖質制限の有効性と理論的な正しさに目を付けられ、北里大学の糖尿病医療センター長として積極的に糖質制限を推進されています。「医学にはエビデンスが大事である」との信念のもと、日本人における糖質制限食の安全性と有効性も自ら証明されました。

 山田先生の指導される糖質制限では「食事1回当たりの糖質摂取は20g以上で40g以下、1日トータルで60g以上で130g以下」という糖質摂取量で、「low carbohydrate(低炭水化物)」から取って「ロカボ食」という言い方をされています。

 以上、3人の糖質制限を改めてまとめると次のようになります。

・釜池式「食事1回の糖質摂取量は5g以下、1日20g以下」
・江部式「食事1回の糖質摂取量は20g以下、1日60g以下」
・山田式「食事1回の糖質摂取量は20g以上で40g以下、1日60g以上で130g以下」

どうして糖質摂取量が、それぞれ異なるのか?

 糖質摂取量がなぜ、それぞれの医師によって異なるのでしょうか。少し詳しく見てみましょう。

 釜池式は「理論上の理想値」を追求しています。人間の脳と赤血球が1日に必要とする130~150gのブドウ糖のすべてを、われわれは自分の肝臓でつくり出すことができます。つまり、理論上は糖質を食べなくても大丈夫だから「断糖食」なのです。

 釜池式実践者の多くは、血液中のケトン体が基準値を超える「ケトーシス」という状態になります。この状態では体細胞の多くが、「糖質エンジン」はほとんど使わずに「脂肪酸エンジン」で回っているので、体脂肪はたまりにくい。

 さらにこの状態は、がん細胞の増殖を抑える上でも有利であると考えられます。それらを考えると、釜池式の断糖食を実践できるようになっておいて損はありません。

 江部式は釜池式よりも糖質制限がゆるくなります。外食やコンビニ食も利用し、糖質を少量含む食べ物もOKなので、実践が容易です。1回の食事での糖質摂取20gは、多くの方々で食後高血糖の起こらない数値で、人によってはケトーシスにもなりうる摂取量です。

 実際に江部先生が、ご自身と自分の病院で栄養指導していかれる上で現実的な対応をして、この量に落ち着いたと考えますが、次の山田先生の基準と照らし合わせてみると面白い数字です。

 山田式のロカボは、「糖質制限」というよりも「低糖質」です。そして上限130gと下限60gが決まっています。上限は既出の脳と赤血球が必要とするブドウ糖の量で、なんらかのトラブルで肝臓が糖新生できなかった場合の「保険」のような摂取量になります。また、1回40gの糖質摂取で誘導される高血糖なら許容範囲というのが山田先生の判断です。

 さらに山田式では、1回当たりの糖質摂取の下限20g、1日60gを設けています。これは輸液(点滴)だけで絶食している人がケトーシスにならない最低のブドウ糖投与量に該当します。

 つまり、山田先生はケトーシスは回避すべきだと考えています(この問題の詳細は別の記事でお伝えしたいと思います)。

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