ビジネスジャーナル > キャリアニュース > 1人で6社内定…就活、空前の学生有利  > 4ページ目
NEW

1人で大手6社内定も…就活が空前の「学生有利」、内定辞退激増で企業がおびえる時代に

構成=長井雄一朗/ライター
【この記事のキーワード】, , ,

学生に「入りたい」と思わせる企業は何が違う?

――大企業が、そのような戦略的採用活動を行っているとは驚きました。しかし、一方で中小企業は買い手市場だった昭和の感覚を引きずっている企業も多く、採用活動はかなり厳しいのではないでしょうか。

坂本 私は企業の面接官研修の講師も務めていますが、若手の面接官は意識を切り替えることができています。問題は、中高年の面接官。「なぜ学生に媚びなければならないのか」と反発されることもあります。

 今は企業は面接試験で学生の承認欲求や自己有用感を高めることに力を入れている状況ですから、いわゆる圧迫面接など、とんでもありません。そんな企業は、すぐに学生から見限られるでしょう。昭和の感覚のままでは、たとえ内定を出しても8割は辞退されるのではないでしょうか。そのため、中小企業も意識を変えて戦略的採用に乗り出さなければ、優秀な学生を確保することは困難です。

 今も、学生の大手志向は変わっていません。では、中小企業が採用活動で大手企業に勝つにはどうすればいいか。そのヒントは、やはり学生の心をくすぐり、「この会社は特別だ」と思わせることに尽きます。

 ある学生は、大手製薬会社から内定を得ていましたが、結局は中堅の医薬品卸会社に入社を決めました。その理由は「私の考え方を尊重してくれたから」というものです。

 また、ある学生はローカル局の面接官から「ほかを寄せつけないダントツでした」と言われたことが決め手となり、入社を決めました。放送業界の志望者は、ローカル局は小手調べで、あくまでキー局入社を目指すというのが王道です。しかし、その学生は、その後のキー局の入社試験は受けずに最初からローカル局を選びました。

 とにかく、一生忘れないくらいのホスピタリティで「この会社に入りたい」と思わせる。大手だけではなく、中小にも戦略的採用が求められる時代になっています。

――ありがとうございました。

 後編では、学生の企業選びのポイントやほかの就活生との差別化について、さらに坂本氏の話をお伝えする。
(構成=長井雄一朗/ライター)

1人で大手6社内定も…就活が空前の「学生有利」、内定辞退激増で企業がおびえる時代にの画像3
●坂本直文(さかもと・なおふみ)
キャリアデザイン研究所代表。大学非常勤講師(就職指導担当)。
自らの面接官経験と最新の採用情報、広告理論、コーチング術等を駆使した実践的指導に定評あり。
全国80大学で講義実績。立教大学理学部物理学科卒。

【著書】
「内定者はこう書いた!エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版』(高橋書店)←全国有名書店にて12年間連続売上1位。
『内定者はこう話した!面接 完全版』(高橋書店)など108冊。

【講義実績】
東京大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、千葉大学、岡山大学、広島大学、
早稲田大学、慶應義塾大学、立教大学、法政大学、明治大学、学習院大学など80大学。
※主催は大学キャリアセンターまたは大学生協。

・著者サイト (講義、カウンセリング情報)http://www.gekiteki.net
・著者メール (本の感想、講義・取材依頼)sakamoto393939@yahoo.co.jp
・著者ツイッター(就活の最新情報を発信) @SakamotoNaofumi

『内定者はこう書いた! エントリーシート・履歴書・志望動機・自己PR 完全版 2019年度』 全国有名書店&全国大学生協売上 12年連続No.1(ES分野) ---通る書類と通らない書類、こんなところが大きく違う!--- 厳しい書類審査と面接を勝ち抜いた、合格エントリーシートをたっぷり収録。必ず通る提出書類が作れます。 amazon_associate_logo.jpg

1人で大手6社内定も…就活が空前の「学生有利」、内定辞退激増で企業がおびえる時代にのページです。ビジネスジャーナルは、キャリア、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!