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垣田達哉「もうダマされない」

食品会社がひた隠しにしたい「情報」…包装ラベルから一発で見抜く方法

文=垣田達哉/消費者問題研究所代表
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 表示例(1)の旧表示を新表示に変更したのが、表示例(2)である。この法律の猶予期間が5年間なので、完全実施されるのは20年4月1日製造分の商品からだ。今は新旧表示が入り乱れている状況だが、新表示に切り替えた商品のほとんどが「/を使用する方法」を採用している。

 この方法を採用する事業者が多いのは、「、」を「/」に変えるだけで文字数が変わらないことが大きい。

消費者にわかりづらい方法を採用

 しかし、もうひとつの大きな理由がある。それは「消費者に表示が変わったことを知られたくない」からである。表示が変わったことを消費者に気づかれると、何が変わったのかということになり、原材料添加物が明確に区別される表示になったことがわかってしまう。

 もちろん、表示が変わったことを知っている消費者もいるし、隠すこともできない。完全実施がまだ先なこともあり、テレビなどのマスコミもほとんど報道していないので、添加物が一目でわかるようになったことを知らない消費者は多い。

 事業者としては、どんな添加物がどのくらい使われているかは、できるだけ消費者に知られたくない。ましてや、表示が変わったことで、消費者に添加物への関心を持たせたくない。そこで一番目立たず消費者にわかりづらい「/」を採用しているのだ。
 
 ただ「/」以降が添加物だと知っていれば、どんな添加物が何種類使われているか一目瞭然だ。表示例(1)だけ見ていると、いったいどこから添加物なのかよくわからない。「加工でん粉はでん粉で、炭酸Caは栄養素だから、調味料以降が添加物かな」と思う人もいれば、「調味料も原材料みたいだから、着色料以降が添加物かな」と思う人もいるだろう。

 今まで、筆者は講演会などで「どこからが添加物なのですか?」「何か決まりはないのですか?」とよく質問されていたが、これからは「/以降が添加物です」と簡単に答えることができるようになった。

 これからは、同じような商品なら「できるだけ添加物の少ないものを選ぼう」ということが簡単にできるようになる。すでに、大手メーカーの商品では、新表示に移行しているものが結構ある。スーパーやコンビニで新表示を探して、添加物がどのくらい使われているか調べてみよう。このルールを知っていれば、加工食品の表示を見るのがおもしろくなるはずだ。
(文=垣田達哉/消費者問題研究所代表)

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垣田達哉/消費者問題研究所代表、食品問題評論家

垣田達哉/消費者問題研究所代表、食品問題評論家

1953年岐阜市生まれ。77年慶應義塾大学商学部卒業。食品問題のプロフェッショナル。放射能汚染、中国食品、O157、鳥インフルエンザ問題などの食の安全や、食育、食品表示問題の第一人者として、テレビ、新聞、雑誌、講演などで活躍する。『ビートたけしのTVタックル』『世界一受けたい授業』『クローズアップ現代』など、テレビでもおなじみの食の安全の探求者。新刊『面白いほどよくわかる「食品表示」』(商業界)、『選ぶならこっち!』(WAVE出版)、『買ってはいけない4~7』(金曜日)など著書多数。

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