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公安警察大国・日本の誕生…共謀罪で国民への監視・盗聴拡大、でっち上げで誰でも逮捕可能

構成=編集部
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──警察がこのような法律を手にすることに対して、漠然とした不安を感じている人は少なくありません。そこで、「個人の権利」を無視する組織と聞けば、さらに恐怖を感じるのは間違いありません。

 当然ですが、今回施行されたテロ等準備罪は取締規定の拡大に寄与します。おまけに、準備段階で取り締まることが可能なのですから、非常に強い武器だといえます。

 強力な武器を手にすれば、使って力を誇示したくなる。これは、個人も組織も変わりありません。この法律を根拠とした公安警察の調査活動が活発化することは、確実だと思われます。

 では、国会における議論を現場の警察官僚や警察官はどのように受け止めていたのか。「反対勢力に対しては、何をどう説明しても絶対に理解は得られないし、納得するはずがない」というのが本音でしょう。

 価値観の違いは埋めようがない。議論を尽くしても意味がないと感じている。さらに、審議が長くなるほど金田勝年法務相の答弁が迷走するのは間違いないですから、強行採決のほうがリスクは少ないと判断したのです。

街頭の署名活動、安易に参加で公安の監視下に?

──その国会議論では、「我々一般人も狙われるかどうか」が議論されました。有権者にとっては不満の残る議論でしたが、現場を知る方からご覧になって、今回の法改正で、私たちは本当に「何も気を付けなくていい」のでしょうか?

 国会で議論は尽くされませんでしたし、今も批判が多い法改正ですから、さすがに、今すぐテロ等準備罪を適用するようなことはないでしょう。

 しかし、警察官の現場では、どんな法律であれ新しい法律の初適用は捜査した都道府県警の部署にとって、何よりの名誉となります。常に“ネタ”を探すであろうことは想像に難くありません。

 では、現場で何が起きるのか。公安警察とは、警視庁を例にすると、共産党や新興宗教団体を担当する「公安総務課」、極左暴力集団の「公安一課」、革マル・大衆運動の「公安二課」、右翼の「公安三課」、ロシア・戦略物資の「外事一課」、中国・北朝鮮の「外事二課」、国際テロ・イスラム団体の「外事三課」といった部署から成り立っています。

 まず、各課はそれぞれが対象とする団体・組織の監視を強化し、関連団体やシンパなどの実態把握を徹底するところから始めるでしょう。

 今回の法改正は、組織犯罪が眼目です。「組織である」と結論付けるためには、その団体・組織の構成員と、賛同者など関連者の動向をしっかり把握しておかなければなりません。そのためには、まず盗聴や盗撮を容易に行えるような仕組みを考えるのではないかと思います。

 そうした公安警察に対して、一般市民の方々は何に気を付けるべきか。それは、上述した団体・組織の構成員、賛同員として把握されないようにするということです。

 もっとも現実性の高いシナリオは、街頭での署名活動でしょう。安易に署名したところ、その署名活動を公安警察が監視対象とする団体が行っていたというケースは決して珍しくありません。最悪の場合、署名しただけで団体の構成員やシンパに認定されてしまうことが懸念されます。

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