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六代目山口組でも神戸山口組でもない「指定暴力団」が誕生か…ヤクザに“脱山口組”の動きが加速 !?

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「県内最大暴力団 指定へ」と、県警の動きを伝える「長崎新聞」(8月17日付け)
  

 2005年の六代目山口組発足当時、長崎県では水心会という組織が県内で唯一の直系団体として本部を構えていた。
 
 水心会は、07年4月17日に起こった「長崎市長射殺事件」で解散しているが(水心会の最高幹部が現職の市長を射殺した事件で、これを重くみた六代目山口組執行部は水心会会長を除籍処分とし、同会は翌日18日に解散することになった)、当時から水心会より長崎県内では勢力を誇るといわれた石湊会(現在は三代目体制)という有力組織が存在していた。地元関係者によれば、石湊会の初代会長は山健組で舎弟頭補佐を務めたほどの大物で、「長崎といえば石湊会」といわれるほどの組織だという。
 
「石湊会は、一本独鈷(独立組織)だった石本組と長崎湊会が合併した組織で、山健組傘下だった。その後、同じく一本独鈷で山健組加入後に五代目山口組の直参へと昇格を果たした松本組(すでに解散)や宅見組へと加入した一誠会(同)の大半を吸収し組織を拡大。いつプラチナ(直参)へと昇格を果たしてもおかしくないほどの組織になった」
 
 六代目山口組系幹部はこう振り返るが、2年前に六代目山口組が分裂すると、その動向が注目されていた石湊会は六代目山口組にも神戸山口組にも参画せず、独立路線の道を選択することとなった。
 
 これによって石湊会は上部団体を持たない組織となり、石湊会自体がそのまま一次団体になると同時に、指定暴力団の枠からは外れることとなったのだ。指定暴力団でなくなれば、暴力団対策法から受ける影響は低下する。石湊会はその後も組織を衰退させることなく、約100人の構成員を抱える長崎県最大組織として現在に至っているのだ。
 
 そんな状況を危惧した長崎県警は、ここに来て、三代目石湊会を指定暴力団に認定する準備を始めたという。このことは組織名を伏せつつも、地元紙も報じている。同ニュースを受け、ある法律家はこんな見解を述べている。
 
「当局は任侠山口組について、神戸山口組の分裂によって誕生した組織であるとは、いまだに認めていません。任侠山口組は、あくまで神戸山口組の内紛状態の中に置かれた組織で、実態は神戸山口組の一部という解釈を崩さないのですが、それは任侠山口組をあらたに指定暴力団に認定するには、最短で5カ月の期間が必要とされるからと考えられます。その間は指定暴力団から外れることになる。ここが盲点で、組織体が変わるたびに指定暴力団から外していては、それを目的に分裂や再編を繰り返しかねません。

 一方、石湊会については指定暴力団から外れたために拡大したという側面もあるでしょう。これまで、山口組から独立した組織は例外なく衰退化してきていたので、当局は指定暴力団から外れたことを重要視してなかったが、石湊会はその勢力を保ち続けた。この事態は想定外だったはずで、そのため指定暴力団に認定することを検討し始めたのだと思われます。分裂後2年の月日がたっていますが、すでに水面下で認定に向け準備を進めていた可能性もあり、5カ月もかからずに指定を受けることもありうるのではないでしょうか」
 
 では仮に、三代目石湊会が指定暴力団として認定されるとどうなるのか。ヤクザに詳しいジャーナリストは意外な見方を示す。
 
「指定を受けることは足かせが増えることでもありますが、国家から『ヤクザとしての甚大な影響力を持つ組織』というお墨付きをもらったともいえます。今回、六代目山口組でも神戸山口組でもない、そこから独立した組織がお墨付きをもらうということは、見方を変えれば“両山口組”傘下にいなくても、十分にヤクザ組織としてやっていけるということを業界内外に示すことになります。ヤクザ全体に逆風が吹く今の時代、大組織の下部でいるよりも、上納金や上部団体との付き合いなどのしがらみなく、自分たちの矜持に沿って、一本独鈷でやっていきたがっている組織は少なくないはずです」 
 
 つまり、三代目石湊会が前例になったように、大組織に加わらなくても、確固たる地盤を保ち、規模を温存できるのであれば、それに続けと独立路線を歩みたがる組織が次々に誕生していくかもしれないというわけだ。2年前に起こった山口組の分裂劇は、ヤクザ組織のあり方にも影響を及ぼしているようだ。
(文=沖田臥竜/作家・元山口組二次団体幹部)

●沖田臥竜(おきた・がりょう)
元山口組二次団体最高幹部。所属していた組織の組長の引退に合わせて、ヤクザ社会から足を洗う。以来、物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。去年10月、初単行本『生野が生んだスーパースター 文政』(サイゾー)を刊行。最新刊は『2年目の再分裂 「任俠団体山口組」の野望』(同)。

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