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ワインとビールが糖尿病リスクが低減させる?「糖尿病対策には蒸留酒」は不正確?

文=ヘルスプレス編集部
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ワインとビールは糖尿病の救世主?「週3~4回」の飲酒が「2型糖尿病」のリスクを3割低下の画像1ワインとビールは糖尿病の救世主か? (depositphotos.com)

 ダイエットに効果的な「糖質制限」は、糖尿病患者はもちろん、一般の人にも広く認知されてきた。その人気もあって、低糖質の食品、食材は拡大しており、その中でも特に酒類は活況を呈している。酒屋をのぞけば、発泡酒、焼酎、日本酒とさまざまな「糖質ゼロ」が販売されている。

「健康=糖質ゼロ」のムーブメントが盛り上がる一方、アンチエイジングをもたらす「ポリフェノール」を豊富に含むことで、かつて脚光を浴びた赤ワインの影が薄い。ところが最近、愛飲家には興味深い、酒と糖尿病をめぐる新たな知見が報告された。

ワインやビールを「週3~4回」飲む人は「2型糖尿病リスク」が約3割低下

 適量範囲のワインやビールを「週3~4回」飲む人は、飲酒頻度が「週1回」の人と比べて、「2型糖尿病リスク」が約30%低下する可能性がある――。

 一読して、にわかには信じがたい飲酒効果の報告が、7月27日付『Diabetologia』に掲載された。これは南デンマーク大学国立公衆衛生研究所のJanne Tolstrup教授らが行った観察研究の成果論文だ。

 対象は2007~08年実施の『デンマーク健康調査』に参加した成人男女7万6484人(うち男性は2万8704人)。研究陣は新たに各自の飲酒習慣や健康状態を問い、12年まで追跡調査を行い(平均期間:4.9年)、糖尿病発症との関連を観察分析した。

 その結果、追跡期間中に「男性859人」「女性887人」が「2型糖尿病」を発症していた。さらに解析を進めると、意外な飲酒効果の傾向が読み取れた。

 飲酒習慣が「全くない」人と比較すると、男性では「週当たり14杯」、女性では「同9杯」飲酒する人々の層が、2型糖尿病リスクにおいてもっとも低いとの結果が出たのだ。そのリスク低下率は「男性43%」「女性58%」というから侮れない効能だ。

 一方、同じ飲酒派同士でも、「その頻度に応じて2型糖尿病リスクが違ってくる」というのは誰もが想定範囲内だろうが、今回の観察研究では前述のような意外な結果が認められた。

 飲酒頻度が「週当たり1日未満」の人のほうが、その節制ぶりを褒められそうな気がするのに、実際は「同3~4日」の愛酒派のほうが「男性27%」「女性で32%」も、2型糖尿病リスクが低下していた。かの国民病のリスク低減には「飲酒の頻度」が影響する可能性が示唆されたのである。

「2型糖尿病リスクを低減させるには、各自の1週間当たりの総飲酒量にかかわらず、1度に飲むよりは数回に分けて愉しむほうが総じて総じて良いようだ」(Tolstrup教授)

 同教授によれば、その低減効果は「酒類」によっても差が生じるようで「ワインがもっとも高い」そうだ。観察結果でも男女とも「週7杯以上」飲む人の場合、「週1杯未満」の嗜み派に比べて、2型糖尿病リスクが最大で30%低下していた。

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