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小樽、中国人殺到で「原宿化」、パンフも5カ国語…沸騰する北海道観光に「深刻な問題」露呈

文=山田稔/ジャーナリスト
小樽、中国人殺到で「原宿化」、パンフも5カ国語…沸騰する北海道観光に「深刻な問題」露呈の画像1小樽運河

 8月中旬、お盆の期間中に小樽を訪れた。道内でも屈指の人気観光スポットだ。昼時を外してレンタカーで訪れたのだが、あいにく駐車場はどこもいっぱい。工場見学ができる有名な蒲鉾店の前には、駐車場待ちの自動車が列をなしている。その近くには、相場の倍の値を掲げた駐車場もある。そんな駐車場でも、空きが出るとすぐに埋まってしまう。幸い、穴場らしき駐車場(30分200円)にタイミング良く空きが出たので、大して待つこともなく駐車することができた。

 特に小樽運河から土産物店、寿司店などが立ち並ぶ堺町通りにかけての人混みがすごい。休日の原宿を思わせるほどだ。国内の観光客はもちろん、アジアからの旅行者の姿が多い。運河近くの観光案内所に立ち寄りパンフレットを手に取ると、日本語版に加え英語、中国語、韓国語、タイ語版が揃っている。スタッフの方に「最近の訪問客はどの国が多いですか」と尋ねると、韓国だとの答えが返ってきた。

 堺町通りにある老舗の寿司店に入る。午後3時近いというのに、満席で順番待ちしなければならないほどの盛況ぶりだ。しばらく待って案内された2階のテーブル席は、蔵の中にいるかのようにシックな雰囲気で、壁には洗練された絵がかかっている。メニューは日本語と英語表記だ。周りのテーブルは、ほとんどがアジアからの客のようだ。小樽の新鮮な海の幸に満足げな様子を見せている。街を歩く人々は大きな土産袋を持ち、飲食店では数人のグループが軒並み1万円以上使っていく。

 このような光景を見ると、アジアマネーが小樽の観光を支えていることを実感する。

小樽、中国人殺到で「原宿化」、パンフも5カ国語…沸騰する北海道観光に「深刻な問題」露呈の画像2羊ヶ丘展望台(札幌)

北海道を訪れたインバウンドは223万人

 2016年、北海道を訪れたインバウンド(訪日外国人客)は222万9900人で、前年同期比17.2%増となった。11年度は57万人にすぎなかったので、わずか5年で約4倍に膨れ上がったことになる。

 インバウンドは観光消費での貢献度も高い。16年度第3四半期(10~12月)の観光消費額をみると、道内からの宿泊客が平均2万3546円、道外宿泊客が同7万36円なのに対し、外国人は同12万6394円と飛び抜けて多い。

 インバウンドの実数を国別・地域別でみると、中国53万8300人(前年同期比10.4%増)、台湾53万3500人(同0.3%増)、韓国38万9400人(同48.5%増)の順で以下、香港、タイ、マレーシアとアジア諸国が10万人台で続く。米国が5万9500人、オーストラリア5万1200人、カナダ1万9200人などとなっている。アジアの上位3エリアで65%を占めている。北海道に限った話ではないが、インバウンドの主流はまだまだアジア圏というのが実情だ。

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