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江川紹子の「事件ウオッチ」第88回

その公約で本当に日本はよくなるのか?「改革」という名のマジックワードに惑わされてはいけない!

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「大胆な改革を築いていく新しい政治」によって「日本をリセットする」と訴えた小池百合子氏

 選挙になると、政治家は張り切って「改革」を語る。しかも、1人や2人ではない。それぞれの声のトーンも、日常よりずっと高い。

「改革」がてんこ盛り! 各党の公約・政策集

 私自身は、率直に言って、すでに「改革」には疲れている。

 メディア上で最も「改革」が叫ばれたのは、小泉純一郎氏が首相の座についた2001年から、郵政解散・郵政選挙があった05年にかけてである。朝日新聞のデータベースで検索すると、年に1万回以上同紙にこの言葉が印刷されたことがわかる。つまり、1日当たり30回近い。

 その時から使用頻度は年々漸減し、近年は出現度が半分から3分の1になったものの、やはり選挙となると盛んに「改革」が語られる。党首討論会を見聞きし、各党の公約・政策集を見ると、さまざまな「改革」がてんこ盛りだ。

 日本維新の会は「身を切る改革」が“売り”で、松井一郎代表は「大阪維新の改革」を盛んにアピール。希望の党も小池百合子代表が「大胆な改革」「身を切る改革」を叫び、「改革のスピードを上げなければならない」と強調する。

 公明党の重点政策集には「働き方改革」「政治改革」「行財政改革」「構造改革」「電力システム改革」など、いくつもの「改革」が並ぶ。

 共産党も政策集で、「税金の改革」「予算の改革」「本物の働き方の改革」など、「4つの改革」を訴えている。

 自民党の公約集でも「改革」は多用されている。それどころか、なんと「革命」まで出てくる。「生産性革命」や「人づくり革命」がそれだ。さんざん使われて新鮮味もインパクトも薄らいだ「改革」より、強いニュアンスを持つ言葉として選ばれたのだろう。刺激の強い表現も、使われていくうちにだんだん人の心を動かす効果が薄まり、より刺激の強い表現を求める、言葉のインフレのようなものだ。

 それにしても、じっくりと時間をかけて人を育てていく「人づくり」と、体制や状況を急激かつ根底から覆す大変革である「革命」を、無理やり接合させた違和感は相当なものがあるが、首相の口から繰り返し聞かされるうちに、なんとなく慣らされてしまう。「革命」も、すでにインフレを起こしている。

 主要7党の公約・政策集で、「改革」を使わずに自党の政策を語っているのは、立憲民主党だけだった。そういえば代表の枝野幸男氏も、演説やインタビュー、討論などで「改革」をほとんど使わない。

 同党の選挙対策本部を通じて枝野氏に真意を尋ねると、こんな「まっとうな」返事が返ってきた。

「多くの政党・政治家が改革を叫んでいるが、改革という言葉そのものに中身があるわけではなく、問題は何を改革するかである。立憲民主党は『まっとうな政治』をスローガンに、一つひとつの政策を国民に丁寧に訴えていくことが最善の道と考えている」

 やはり、意図的に「改革」を避けているらしい。それでも、多くの政治家や政党が「改革」を好むのは、この言葉には前向きで物事を劇的に改善していくようなプラスのイメージがあるからだろう。

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