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ケースで見る!「働くハイスペック女子」への処方箋

疲弊するハイスペック女子たち…高学歴・高収入・美人ゆえの「生きにくさ」

文=矢島新子/産業医、山野美容芸術短期大学客員教授、ドクターズヘルスケア産業医事務所代表

 このシリーズでは、ハイスペック女子の「病理」を「診断」し「治療」しようと試みるよりも、むしろ今どきのハイスペック女子が共通して抱える問題や社会的背景を提示し、ご一緒に解決策を考えていきたいと思っています。ご紹介するケースは、実在するひとりまたは複数の方の例にもとづくものですが、個人が特定されることのないよう、事実関係を適宜改変しています。

ハイスペック女子とソムリエ資格の罠

 秋の味覚は、美味しいワインといただくと一層引き立つものです。ワインというとなんだかハイソなイメージをもつ方も多いと思いますが、そんな優雅な話ばかりではありません。

 しばしば見聞きするのが、「ソムリエ資格ストレス」。私の患者さんがこれをお読みになっていたら、「これはもしかして自分のことなんじゃないか」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、それはある意味正しくて、ある意味間違っています。実はこの数年だけでも10人以上のハイスペック女子が、同じストレスを訴えて私のところに面談にいらしているのです。

【K.S.さん(33歳)】

 都内有名大学の法学部から新卒で外資系保険会社に入社して10年になります。仕事は、いわゆるバックオフィス系の内勤業務をしています。そろそろ結婚している同世代の友人も増えてくる年代ではあるのですが、ご本人は、これといった出会いのないままなんとなくここまできました。

 あまり社交的な性格ではありませんし、人が集まる場所は苦手です。お見合いパーティーのようなところに出たところで、自分よりも学歴の低い男子しかいないだろうし、派手目きれい目の20代の女子じゃないと相手にされないのではないかと思っていますが、実際に行って自分で体験し確認してみたことはありません。仕事も結構忙しくて趣味の時間がたくさん取れるわけではないのですが、自分に言い訳をしてはダメだと言わんばかりにむしろ積極的に趣味に取り組んでおり、週末を利用してトライアスロンに参加したりもしています。

 好きなワインを飲むために仕事帰りにワインバー通いもしているそんな彼女が最近始めたのが、ソムリエ資格の勉強。ワインにはおしゃれなイメージがあり、ハイスペック女子のたしなみとしては基本中の基本です。

矢島新子/産業医

矢島新子/産業医

矢島新子
山野美容芸術短期大学客員教授。ドクターズヘルスケア産業医事務所代表。東京生まれ。東京医科歯科大学医学部卒。パリ第1大学大学院医療経済学修士、WHO健康都市プロジェクトコンサルタント、保健所勤務などを経て産業医事務所設立。10年にわたる東京女子医科大学附属女性生涯健康センターの女性外来、産業医として数千人の社員面談の経験より、働く女性のメンタルヘルスに詳しい。著書に『ハイスペック女子の憂鬱』(洋泉社新書)ほか。
株式会社ドクターズヘルスケア

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