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アベノミクスの恩恵、地方にまったく波及せず…自治体の資金調達難が深刻化

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安倍首相(日刊現代/アフロ)

 2012年に発足した第2次安倍政権の目玉でもあったアベノミクス。その第1の矢とされる金融緩和は、円安を誘導することで景気を浮揚させる目的があった。

 実際、アベノミクスが発動された直後は円安が進行し、輸出に頼る大手メーカーをはじめとする製造業に大きな恩恵をもたらしている。そうしたアベノミクスを加速させるべく、政府・日本銀行が一体となって異次元緩和を推進した。これらの政策が奏功し、昨今の景気は「いざなぎ景気超え」などともいわれる。

 しかし、それは東京をはじめとする大都市に限った現象にすぎない。いざなぎ景気超えなどと好景気を装っても、その果実にありつけているのはほんの一握りの人間しかいない。14年頃からアベノミクスは大都市や大企業にばかり利益をもたらし、中小企業には厳しいとされてきた。特に、地方にアベノミクスはまったく波及していない。そんなことが囁かれ始めたため、地方を所管する総務省は危機感を強めていた。

 14年9月に発足した第2次安倍改造内閣で入閣した高市早苗総務大臣は「地方にも恩恵が行きわたるように、ローカルアベノミクスに取り組む」と宣言したが、成果は出せていない。地方では、一向に景気回復の兆しが見られない。

 景気回復がもたつくなか、アベノミクス第1の矢とされる金融緩和による反動が自治体を蝕み始めている。その最たる例が、マイナス金利政策だ。政府・日銀が一体化して取り組んだマイナス金利政策により、地方自治体は資金調達に苦しむようになった。ある自治体関係者は言う。

「約10年前、政府は民間資金を積極的に活用する方針を打ち出し、財政投融資改革に着手しました。この財政投融資改革は、民間資金を活用することが最大の狙いです。そのため、地方自治体は国の金に頼ることなく、自立的な自治体経営が求められたのです。そこに誕生したのが、地方自治体が市民を対象に販売する債権。いわゆる、住民参加型市場公募債(ミニ公募債)だったのです」

 それまで、地方自治体は債券を個人投資家向けに販売することはほとんどなかった。地方自治体の資金調達は、国からの補助金が柱。自ら起債して資金を調達するにしても、銀行等引受債と呼ばれる債券で調達するのが一般的だった。

 銀行等引受債は縁故債とも呼ばれる。その名称からも窺えるように、それまでの自治体と銀行との親密な関係で資金を調達していた。自治体は徴税権・課税権を持っているがゆえに破綻する可能性はほとんどなく、信用性は高い。ゆえに、銀行にとって自治体の債券を引き受けることはおいしいビジネスでもあった。

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