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女子カーリング、JAからの報奨「米」6トンで税金支払い発生?

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「Thinkstock」より

 元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きなオリンピックは「アテネ」です。

 平昌オリンピックが終わりました。日本は、金4個、銀5個、銅4個と、過去の大会よりメダルを増やし、多くの国民が歓喜しました。

 そんななか、日本カーリング界初のメダルを獲得した女子代表に、報奨金ならぬ“報奨米”が贈られると話題になりました。カーリング女子日本代表のオフィシャルスポンサーを務める全国農業共同組合連合会(JA全農)が、米100俵、6トン相当分を贈呈することにしたと発表しました。

 カーリングでは、メダルを獲っても競技団体からは報奨金が出ず、日本オリンピック委員会からの報奨金100万円以外に贈られるのがお米だけということも注目された要因です。

 さて、オリンピック選手が獲得した賞金や賞品について、税金はどうなるでしょうか。お米でもらった場合は、税金はかからないのでしょうか。

 日本オリンピック委員会(JOC)の規定では、メダルごとの報奨金が次のように定められています。

・金メダル…500万円
・銀メダル…200万円
・銅メダル…100万円

 さらに、JOCの報奨金以外にも、各競技団体からの報奨金も決まっています。例えば、冬季オリンピックの花形であるフィギュアスケートは、JOCと同じく、金500万円、銀200万円、銅100万円が贈られます。JOCの報奨金と合わせると、金メダルで1000万円。2種目で金メダルを獲れば、2000万円受け取れることになります。

 それ以外にも、スポンサーや所属企業からの報奨金とボーナスがもらえるケースもあります。しかし、すべての競技団体が報奨金を出すわけではなく、カーリングやボブスレーの選手は1円ももらえません。メダルを獲得しても、JOCからの報奨金だけです。もちろん、スポンサーや所属企業からの賞金やボーナスがあるかもしれませんが、マイナースポーツでは高額な金銭を受け取ることはないように思います。

報奨金に対する税金

 今回は、それぞれの報奨金に関して、税法上の取扱いを解説します。

 JOCからの報奨金は、非課税とされています。また、パラリンピックでメダルを取った場合も、日本障がい者スポーツ協会(JPSA)から報奨金が出ますが、同様に非課税です。さらに、JOCに加盟している競技団体であれば、その団体から支払われる報奨金も非課税です。

 所得税法9条では、非課税所得について次のように規定されています。

「オリンピック競技大会又はパラリンピック競技大会において特に優秀な成績を収めた者を表彰するものとして財団法人日本オリンピック委員会、財団法人日本障害者スポーツ協会、その他これらの法人に加盟している団体であって政令で定めるものから交付される金品で財務大臣が指定するもの」

 つまり、オリンピックとパラリンピックで優秀な成績を収めた人に、JOC、JPSA、またそれらに加盟している団体が、お金や物を贈っても税金はかかりません、というわけです。

 では、スポンサーから報奨金が出た場合はどうなるでしょう。スポンサーは、基本的に法人と考えられますので、その場合「一時所得」となります。もし、個人から報奨金が出た場合は「贈与」となります。どちらも、上記の非課税所得に含まれないので、所得税が課税されます。

 カーリング女子日本代表の選手たちがお米を受け取ったケースで検討します。まず、JA全農から報奨金が出た場合も、上記の非課税所得に含まれません。今回、支給されるお米6トンは、お金ではなくモノです。JA全農は株式会社ではありませんが法人なので、もらったモノは選手の一時所得になります。お米6トンの価値の分だけ税金がかかります。

「お金はもらっていないのに、税金は払わなければいけない」という事態は、選手の気持ちを慮ると不憫でなりません。日本人1人当たりの1年間の米消費量は、およそ60キログラムなので100年分です。10人で食べても10年分です。

 自分で食べきれないほどのお米を受け取って、税金は払わなければならない。ただでさえ、報奨金が少ないカーリング選手なのに、お米をもらったお陰で支出が増えるという絶望的状況です。

 もし、メダルを獲った選手に報奨品を出したいと検討している方がいる場合、贈って自己満足に浸るのではなく、相手の税金のことまで考えてあげると良いと思います。そだねー。
(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)

●さんきゅう倉田
 大学卒業後、国税専門官試験を受けて合格し国税庁職員として東京国税局に入庁。法人税の調査などを行った。退職後、NSC東京校に入学し、現在お笑い芸人として活躍中。2017年12月14日、処女作『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)が発売された。

「ぼくの国税局時代の知識と経験、芸人になってからの自己研鑽をこの1冊に詰めました。会社員が社会をサバイバルするために必須の知識のみを厳選。たのしく学べます」(さんきゅう倉田)

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