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世界で主力の風力発電、日本ではわずか「0.6%」…政府、「水素」発電を重視へ

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2013年7月、風車「ふくしま未来」の実験開始にあたり集まった関係者(楢葉町役場提供)
 かつての「原発のフクシマ」が今、「洋上風力水素エネルギーのフクシマ」として甦ろうとしている。東京電力福島第一原子力発電所事故という大災害からの復興に向けた「福島イノベーション・コースト構想」プロジェクトが、事業化に向けて大きく踏み出した。洋上風力、水素エネルギーのいずれも、実現すれば世界最大級の発電規模が見込まれる。


 原子力に代わる電源として脚光を浴びる再生可能エネルギー。これを欧州並みに普及させるためのカギとなるのが洋上風力だ。さらに、低炭素社会の実現に向けて火力に代わる「未来のクリーンエネルギー」と目されるのが水素ガス。双方の実用化を狙うプロジェクトが、原発事故に打ちひしがれたフクシマで「実現間近」までこぎ着けている。

世界初で世界最大の「浮体式」洋上風車


 福島県双葉郡楢葉町の海辺近くの公園。事故を起こした福島第一原発から約18キロ南にある。備えつけの望遠鏡で覗くと、遠くの沖合に、肉眼では見えなかった洋上風車3基が揺らいで見える。2011年3月の大津波で、町は沿岸の住民13人が死亡、直後に発生した原発事故で住民7108人が一斉避難を強いられた。

 15年9月に避難指示が解除されてから、2年半がたつ。この間、住民の3分の1に当たる2390人が町に帰ってきた。住民の6割が避難したいわき市にある13カ所の仮設住宅が今年3月末に供与期限を迎えたのを機に、今後もかなりの数の避難者が帰還する見込みだ。

 3月に訪れた際、楢葉町役場の復興推進課に聞くと「これで帰ってくる住民は3600人ぐらいになりそう。原発事故前の人口の5割は超えそう。楢葉小学校の生徒は68人、中学校も43人になった。町は若年者を呼ぶために、仕事・教育環境・住宅の3分野で支援事業に力を入れる」と弾んだ声が返ってきた。

 楢葉町が将来の夢として描くのが、町の沖合約20キロで進行中の洋上風力の実証研究事業だ。前出の担当者は、「町としても、再生エネへの転換を力強く進めていこうと考えている。経済産業省が主導し、丸紅を中心に企業や大学が協力して運営は順調です」と話す。

 福島沖に3基の世界初の「浮体式」の洋上風車を設置する実験プロジェクトは、国・県・地元市町村が一体で福島県浜通りの復興を目指す「福島イノベーション・コースト構想」の一環だ。その構想のなかで、原発に代わる新たなエネルギー産業創出プロジェクトとして具体化した。

 世界最大規模となる出力7000キロワットをはじめ、同5000キロワット、2000キロワットの風車3基と洋上変電所を沖合に浮かべ、16年度から3年計画で事業化に向けた実証運転を開始した。

欧州と比べて格段に遅れる、日本の再生エネ導入


 資源エネルギー庁によれば、風力発電の利点は「大規模に開発できれば発電コストが火力並みに下がる」ところにある。「特に洋上は陸上と比べて好風況で発電効率が高く、大規模な風車の設置が可能」と指摘する。

 しかし、海に囲まれているのに日本の風力導入は遅れている。16年度の発電量比率で風力はわずか0.6%。再生エネは、水力の7.5%を除くと7.3%。うち太陽光が4.8%と群を抜く(環境エネルギー政策研究所調べ)。

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