NEW
吉澤恵理「薬剤師の視点で社会を斬る」

湿布薬に健康被害リスクか…重篤な皮膚炎拡大の恐れも

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「Getty Images」より

 湿布薬の使用による副作用に、「光過敏症」という皮膚炎がある。皮膚炎と聞いて、単なる「カブレ」と考える人も多いだろうが、光過敏症は極めて重篤な症状として現れる。

 薬剤による光過敏症は光毒性と光アレルギーの2つあるが、湿布薬はこの2つが湿布の貼付部位に発症するため、重篤な症状となる場合がある。その原因となる湿布薬の有効成分はケトプロフェンである。一般名では「ケトプロフェンテープ」「ケトプロフェンパップ」として処方され、先発医薬品の「モーラステープ」「モーラスパップ」である。市販薬でもケトプロフェンを配合する「オムニードケトプロフェンパップ」があるが、第二医薬品であり自己判断で購入できる。説明書をよく読まずに使用すると、思わぬ副作用を招くことになるため注意が必要だ。

光過敏症が増えている原因は?

 モーラステープ、モーラスパップの添付文書を見ると、光過敏症については以下のような記載にとどまっている。

「光線過敏症(頻度不明) 本剤の貼付部を紫外線に曝露することにより、強いそう痒を伴う紅斑、発疹、刺激感、腫脹、浮腫、水疱・びらん等の重度の皮膚炎症状や色素沈着、色素脱失が発現し、さらに全身に皮膚炎症状が拡大し重篤化することがあるので、異常が認められた場合には直ちに使用を中止し、患部を遮光し、適切な処置を行うこと。なお、使用後数日から数カ月を経過してから発現することもある」

 添付文書でも、その発生頻度が明らかとなっていないことから、光過敏症の発生頻度は極めて低いと考えている医師や薬剤師もいるかもしれない。しかし、筆者が薬剤師として働くなかでみた限り、モーラステープなどのケトプロフェン含有湿布薬による光過敏症の発症頻度は決して低くない。また、光過敏症の治療には時間を要し、色素沈着も残る場合もあるため、くれぐれも注意してほしい。

使用から時間が経過してから光過敏症が起きる可能性も

 さらに気をつけるべき点は、ケトプロフェン含有湿布薬をはがした後でも、貼付していた部位が紫外線にさらされると光過敏症を発症するケースもあることだ。使用後は最低でも4週間は、貼付部位を紫外線から守るように心がけてほしい。

 薬の副作用の出現は個人差があるが、知っていれば防げる副作用もある。医療機関で薬を受け取る際は、薬剤師の説明をよく聞いていただきたい。
(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

湿布薬に健康被害リスクか…重篤な皮膚炎拡大の恐れものページです。ビジネスジャーナルは、連載、ケトプロフェンモーラステープ光過敏症湿布薬皮膚炎の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!

BJ おすすめ記事