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なでしこジャパンに学ぶ、ヒラ社員のキャプテンシーが組織を勝利に導く!

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 ただし、上司のコピーであってはいけない。それでは自分が熱くなれない。上司へのゴマスリであってはいけない。それでは周りが動かない。自分なりに味付けをして、やり過ぎるくらいが必要だ。

 澤キャプテンは、このようなかたちでキャプテンシーを発揮したが、忘れてはいけないのは、キャプテンであっても権力もなければ手当もないのだ。つまり、このようなことはキャプテンでなくても、係長や主任ですらなくてもできる。もしかすると、かえってヒラ社員のほうがキャプテンシーを発揮しやすいかしれない。

 いまの時代、過去の延長線上の戦略ならともかくも、なんらかの革新を必要とする戦略は、選手や社員のダイナミックな意識改革を必要とする。そのためには、メンバーの誰かがキャプテンシーを発揮することで、メンバー同士の連帯がつくられなければならない。

 では管理職は、このようなキャプテンシーを果たす人材をどのようにして育てるのか?

 それは、あなたの指示・命令とメンバーの服従によってできることでは決してない。佐々木監督は強制でなく、「キャプテンシー」を果たす人材が生まれる環境づくりをしたのだ。

 例えば彼は、澤キャプテンをそれまでのほとんど攻め一本の「トップ下」から、ボールを奪いゲームを組み立てながら攻め上がる「ボランチ」に変えた。それにより澤キャプテンは、「チーム全体、試合全体をどう組み立てればよいのか?」という意識を持ったのだ。

 澤キャプテンのこのような意識改革なしに、なでしこが世界最強となり、日本列島を感動で揺り動かすことはなかった。ビジネスの世界でも、”ヒラ社員のキャプテンシー”が、成功のカギを握っているのだ。
(文=大西 宏/コンサルタント ビジネス作家)

BusinessJournal編集部

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