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続「危ない300社リスト」。さとうベネックが民事再生法を申請

「ソフトバンクは成功例」危ない300社が落ちたLBOの罠

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 SBIキャピタルはSBIホールディングス傘下の投資会社でLBO資金を出していた。SBIに一括返済したことで資金繰りに窮したわけではないと、この文書は語っている。では、経営が行き詰まった理由は何なのか?

“資金を低金利で調達するため、新生銀行、埼玉りそな銀行との取引にこぎ着けた。九州での銀行取引を開始しようと、交渉に臨んだが、平成18(2006)年の(さとうベネックの)任意整理の際に九州の銀行や都市銀行に多くの不良債権を残した関係で、取引できなかった”

 まるで、資金を貸さなかった銀行が悪いといわんばかりなのだ。カネもないのにLBOで買収できるという口車にのって買収した大川社長の責任を不問に付すような文書を出すこと自体、おかしくはないか?

●ハゲタカファンドが使うLBOの実態

 任意整理の経緯を簡単に書いておく。06年、不動産投資の失敗で多額の借入金を抱えた旧さとうベネックは、企業再生ファンドのネクスト・キャピタル・パートナーズによって任意整理が行われた。土木・建築部門はネクスト社が設立した新会社に移管し、新・さとうベネックに商号を変更した。不動産部門を残した旧・さとうベネックは九州管財に社名を変更して清算。各銀行は旧さとうベネック向けの貸し出しを不良債権として処理した。この時以来、ベネックとの取引はなくなっていた。「銀行が貸さなかったからこうなった(経営破綻した)」という主張には説得力がない。

 結局、大川社長は引責辞任。早急に新スポンサーを選定し、支援スポンサーから派遣される新しい代表のもとで、再建に取り組みたいとしている。

 ベネックの破綻はLBOの恐ろしさをまざまざとみせつけた。LBOは、金融機関が新たな貸し出し先を発掘するために編み出した手法だ。多額の買収資金を高金利で貸し付け、短期間に全額回収する。金融機関には実に美味しいビジネスだ。だが、買収のターゲットにされた企業は悲惨。カネと優良資産を吸い上げられ、ペンペン草さえ生えない。

 LBOで有名なのは米投資ファンドのKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)。1988年、RJRナビスコに史上最大のLBOを仕掛けて2兆9000億円で買収した。買収後、RJRナビスコの優良事業を次々と売却したことから「野蛮な来訪者」と呼ばれた。KKRは半導体大手、ルネサスエレクトロニクスに1000億円を出資すると、名乗り上げたあの投資ファンド、いや、ハゲタカファンドである。

 LBOを成功させるためには買収される側の経営状態が健全で、恒常的にキャッシュを生み出せる利益体質でなければならない。06年、ソフトバンクによる携帯電話会社、英ボーダフォン日本法人(現・ソフトバンクモバイル)の買収が成功例といわれている。買収総額1兆7000億円のうち、60%弱に当たる1兆円をLBOで調達した。今、ソフトバンクモバイルは米アップル社製のスマートフォン(高機能携帯電話)「アイフォーン」で独り勝ちの状態だ。LBOで膨れた有利子負債を大幅に減らしている。

BusinessJournal編集部

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