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2013年の経済界を展望する(6)

電力9社が支える日本原電、全原発停止でも最高益のカラクリ…出所は国民負担?

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 66年7月25日に営業を開始した東海発電所1号機は98年3月31日、営業運転を停止。廃炉作業が進められている。

 原電の歴代社長は東京電力と関西電力が交互に出していたが、11年6月の株主総会で関電出身の森本浩志社長の後任に関電副社長の浜田康男が就任した。東電の福島第1原子力発電所の放射能汚染事故を受けて2代続けて関電出身者が経営トップに就いたわけだ。

 一方で東電会長(当時)の勝俣恒久を非常勤取締役に迎え入れた。勝俣は原発事故の責任を負うべき東電の最高責任者で、早晩退任は避けられないことから身内の原電が身柄を引き受けたといわれた。結局勝俣は12年6月、東電会長を引責辞任したが原電の取締役は続投した。

 11年3月の東日本大震災と東電福島第1原発の事故で、現在、原電は3基すべての原発を停止している。原発が稼動していないにもかかわらず、原電の12年3月期の連結売上高は1460億円だ。売り上げが立ったのは、電力会社が発電量に関わりなく原発の維持管理費用を原電に支払う契約になっているからだ。

 原電の12年3月期の収入は東電からの464億円(総販売実績に対する比率32.2%)を筆頭に、関電が340億円(同23.6%)、中部電307億円(同21.3%)、北陸電213億円(同14.8%)、東北電116億円(同8.1%)など。発電していようがいまいが、電力各社から確実にカネが入る仕組みになっている。原子力ムラの互助会なのである。

 そのため奇っ怪なことが起こる。原電の12年3月期の最終損益は128億円の赤字だった。ところが13年3月期の上半期(12年4~9月)の連結純利益は過去最高の209億円になった。原発を動かしていないにもかかわらずというより、動かしていないがゆえに利益が膨れた。ちなみに、これまでの通期の最高の純利益は08年度の約32億円である。

 上半期の発電量はゼロだったが、売上高は前年同期比1割減の762億円になった。東電が277億円、関電が162億円、中部電が146億円、北陸電が102億円、東北電が68億円を「基本料」として支払ったからである。基本料は実際に電気を送らなくても支払われる契約になっている。原発を動かしていないから費用はかからない。電気は送らないけれどカネは入ってくる。費用がかからないのだから利益はどんどん積み上がっていく。摩訶不思議なことが起こったのである。

 しかも電力会社は稼動していない原電への支払い分を電気料金の原価に含め需要家に負担させている。筋違いもはなはだしい。東電が12年9月に家庭向け電気料金を平均8.46%値上げしたときの審査で原電の原発費用の算入を巡って激論が交わされた。東電は13年3月期から3年間、再稼動のめどがたっていない原電の東海第二原発と東北電力の女川原発(宮城県)、東通原発(青森県)から毎年1002億円ずつの電力を買い取る契約を結んでいる。

 経産省の有識者会議では「再稼動しないのになぜ払うのか」などの疑問が噴出したが、最終的には再稼動の可能性が残るとして原価算入をおおむね認めた。原電への支払いを消費者に転嫁する値上げを枝野幸男・経産相(当時)があっさり認可したことから、物議をかもした。

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